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眉が太く、いかつい感じ。専門も経済史など…

 眉が太く、いかつい感じ。専門も経済史などと難しそう。17日に亡くなった元琉球大学教授の川平成雄さんに対する最初の印象だった▼2018年に約40年ぶりに石垣島に戻り、緑豊かな島が破壊されていると自然環境や住民自治を守る活動に積極的に取り組んできた▼取材をしているうち「もりともさーん」と声をかけていただくなど気さくな一面も知った。そんなある日、「渡したいものがある」とラミネートされた1枚のA4紙。そこには「我が魂を制するのは我なり 我が運命を決めるのは我なり」。どんな運命にも負けない不屈の精神をうたった英国詩人の一節と、あとで知った▼1年余り後の昨年5月、川平さんは胃がんのため「余命は半年」と告げられた。その間、未完の「戦後沖縄生活史事典1945―1972」(吉川弘文館)に全精力を傾けてきた▼去る20日の告別式。同事典の原稿(21年10月)と初校ゲラ(22年3月)、再校ゲラ(同6月)が並べられ、「生きている間に出版することを目標にしていました」「病魔と闘いながらも、わくわくと仕事をしていました」「責務を果たし、ほっとした様子でした」と遺族のコメントが添えられてあった▼ゲラには修正箇所を示す付箋紙がびっしり。最期まで信念を貫く姿がそこにあった。

(比嘉盛友)

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