非戦の願い、世界に発信 沖縄戦犠牲者を悼む
- 2022年06月24日
- 地域・教育
【糸満】戦後77年を迎えた「慰霊の日」の23日、沖縄戦の激戦地となった糸満市摩文仁の平和祈念公園広場で「沖縄全戦没者追悼式」(県、県議会主催)が開かれ、参列者が混迷する世界情勢のなか非戦と平和を願った。玉城デニー知事は「沖縄の心を世界に発信することが重要」など平和宣言した。
今年の追悼式は前年同様に新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小。3年ぶりに首相を招待し、岸田文雄首相が出席。主催者発表で327人が参列した。
午前11時50分に始まった追悼式では赤嶺昇議長が式辞を述べた後、正午の時報に合わせて全員で黙とう。県遺族連合会の宮城篤正会長や玉城知事らが献花した。
平和宣言で玉城知事は沖縄戦の歴史を伝えた上で「普天間飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性除去、辺野古新基地建設の断念など基地問題の早期解決を図ることを強く求める」と米軍基地に対する県の姿勢を述べた。
ロシアのウクライナ侵略については「住民を巻き込んだ地上戦の記憶を呼び起こすもので筆舌に尽くしがたい衝撃」とし、「平和の礎に込められた平和と命の尊さを大切にする『沖縄のこころ・チムグクル』を国境を超えて世界に発信していくことが重要」と呼び掛け、方言や英語を交えた平和宣言を行った。
岸田総理は米軍基地が集中する沖縄について「政府として重く受け止め、引き続き基地負担の軽減に全力で取り組む」と述べ、「世界の誰もが平和で心豊かに暮らせる世の中を実現するため不断の努力を重ねる」などあいさつした。
遺族連合会の宮城会長は追悼の言葉で「私たちは今後二度と『戦没者遺族を出さない』という強い信念をもってこれからも活動する」と誓った。
沖縄市立山内小学校の德元穂菜さん(2年)は平和の詩「こわいをしって、へいわがわかった」を朗読した。
このほか、細田博之衆議院議長、山東昭子参議院議長もあいさつ。ラーム・エマニュエル駐日米国大使は日本語でのメッセージを寄せた。
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