キビ糖度低下 減収恐れ 補填策、市「早急に協議」
- 2022年06月14日
- 社会・経済
長雨などによる石垣島内のサトウキビの収穫作業の大幅な遅れに伴い糖度が低下し、農家の手取り価格にも影響が出ることが13日、石垣市議会一般質問で分かった。答弁によると、5月中旬以降に搬入された原料約8300㌧の約65%が平均糖度約12度以下。1㌧当たりで約2000円以上、全体では1000万円近くの減収になる恐れがある。
前津究氏が取り上げ、「差額の補塡はあるか」と質問、棚原長武農林水産商工部長は「糖度の低下による交付金の減額分は6月末ごろに確定する見通しだが、その補填にかかる補助制度は国、県を含めてないので、石垣島製糖やJA、農業共済など関係機関と早急に協議していきたい」と答弁した。
昨年12月初旬の操業開始から2月と5月の長雨や日照不足などによる収穫の長期化が影響したとみられる。6月11日時点で、約9万6800㌧が収穫されたが、残り約2000㌧が未収穫となっているという。
一方、ウクライナ情勢や円安などの影響による肥料高騰の対策として、棚原部長は「どこまで価格が高騰するか、先行き不透明の中、化成肥料に代わり、地元の資源である有機肥料への転換が重要である」との認識を示し、新型コロナウイルス感染症対応臨時交付金を活用して牛糞完熟堆肥「世美がえり」を低価格で耕種農家に提供する方針を示した。今補正予算案に3430万円を計上している。
松川英樹農政経済課長は「10㌃当たり約4.5㌧を投入することで島全体の土づくりを強化し、次期作の反収増を実現して農家所得を増大させることが今後のサトウキビの生産振興に大変重要。地元産堆肥を最大限に活用し、好循環の仕組みを構築していきたい」と述べた。
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