郡内各地でハーリー 3年連続規模縮小 安全と豊漁を祈願
旧暦5月4日「ユッカヌヒー」の2日、郡内では漁業者の航海安全と豊漁を祈願する海神祭が、新型コロナウイルス感染防止の観点から、3年連続で規模を縮小して開催された。西表島白浜では、地域住民だけの御願ハーリーや東西対抗対決で活気をみせた。郡内最大の石垣市爬龍船競漕大会は中止になり、本バーリーを行う各組はスネーなどの神事を実施。白保、フナクヤー(伊原間)、細崎(小浜)では関係者のみによる御願ハーリーが行われた。久部良(与那国)は関係者だけで祈願のみを行った。
白浜公民館(屋良誠一館長)主催の海神祭は白浜地区最大の行事。2日午前5時、公民館役員が白浜神社で祈願を行い、集落内にドラの音を響かせた。
太陽が昇ると、会場の白浜港に地元住民や郷友会のメンバーが集まり、午前9時から御願ハーリーで地域の発展や新型コロナの早期終息などを願った。
集落内を東西に分けた東西対抗では、意地とプライドがぶつかる。序盤こそ西がリードしたが、沖合400㍍の旗を折り返すと東が追い上げ白熱した勝負を展開。海岸の婦人や子どもたちが太鼓を叩き「サーサー」と声を合わせ手招きで応援。結果は同着で勝敗を分け合った。
白浜海神祭は、例年だと学校、婦人会、職域、公民館の各対抗戦で優勝を争っているが、新型コロナウイルスの流行で20年度から縮小開催が続く。
今回は、白浜小学校児童と教職員、白浜地区の中学生と婦人会、こぎ手を引退したレジェンドチームと、ことし還暦の白浜中学校22期生による各対抗戦を行い、工夫を凝らして祭りを盛り上げた。西表島産パインの海上収穫祭もあり、子どもたちは大喜びだった。
レース後、児童生徒、婦人会、青年会らが舞踊を披露し来場者を楽しませた。
屋良館長(42)は「近年はコロナで地域行事が規模を縮小したり、中止になったりして地域全体の元気がなくなっている。地域を挙げ行事をすることで団結も強まる。来年こそは大きく開催したい」と来年へ決意を新たにした。
「コロナになって今回が一番盛り上がった」と話す藤原昭男さん(65)。「来年はぜひ前夜祭もやってほしい」と期待した。
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