『石垣村古謡集』が完成 石垣字会字誌編集委
石垣字会字誌編集委員会(大田静男委員長)はこのほど「石垣村古謡集」を完成させた。アヨー、ユングトゥ、ジラバ、ユンタ、雨乞い、弥勒節、わらべ歌など字石垣に伝わる貴重な古謡198音源をCD16枚に収録した。字民や市民への普及のため、曲目を厳選したCDを年内に販売する。
字誌にかかる調査をする中、字に伝わる古謡のカセットテープが廃棄されている現実に直面し、早期に収集して保存する必要があるとして保存版CD製作を企画。2021年度県立芸術大学教育研究資金の助成を受けた。
編集委によると、CDには東永正、東永一、村田用康、大浜賢仁、宇根弘、浦原啓作、仲大浜賢扶、玉代勢長伝、東新城ウムチ、本部マジル、平良コヤさん、西村モトさん(いずれも故人)ら石垣村を代表する古謡の名手の音源を収めた。
「ヤマバレーユンタ」の本歌と、布晒しを歌ったとみられる「カナクリ」も収録。これまで伝承されていなかっただけに貴重という。カナクリの音源は判読が難しかったが、字石垣出身の八重山古典民謡の故・仲程信喜さんの「工工四」の記録から琉球古典音楽の「謝敷節」の中で歌われていることが分かった。
CDにはさらに同じ古謡でも、歌い方や節回しが違っている音源も収められている。
大田委員長は「貴重な発見に驚いた。保存、提供してくれた方々に感謝感激の気持ちでいっぱい。急速な社会の変化でラジカセテープが廃棄処分されている。中には貴重な古謡や地域の伝統音楽が含まれている。これは八重山文化の大きな損失。音源が失われると復元が難しい。各字会や公民館は早急にラジカセテープなど音源を収集して保存活用対策をたてほしい」と望んでいる。
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