石垣市と与那国町 農地集約向け方針策定
- 2022年04月28日
- 政治・行政
石垣市と与那国町はこのほど、今後の農地利用を担う中心経営体への農地集約化に向け、「実質化された人・農地プラン」を策定した。農業者へのアンケートなどで将来の営農意向を把握し、ことし3月に関係者による検討委員会で農業者らの意見を踏まえてまとめた。高齢化が進む一方で後継者がおらず、休耕地面積が増加傾向にあることなどが課題として挙がっている。
市のプランは北部(平久保、明石、伊原間)、西部(川平、崎枝、野底、桴海)、中部(名蔵)、東部(伊野田、白保、盛山、宮良)、南部(大浜、川原、平得、真栄里、於茂登、石垣、登野城、新川、大川)の5地区ごとに作成されている。
このうち北部地区では、アンケートに回答した農地所有者・耕作者の工作面積238・13㌶のうち49%に当たる117・31㌶を70代の農家が耕作。117・31㌶の27%に当たる32・47㌶で後継者がいない。プランは「地区内の高齢化が進み農業後継者がいない農家が他地域に比べて多い傾向にある」と指摘。
その上で、中心経営体への農地の集約化に関する方針として▽農地の基盤整備を行い、農業の行いやすい環境を整える▽北部地区で農業を志す者に農地を活用できるよう農地集積を図る▽地域農業の継続を図るため、新規就農者の確保・育成や地域による農業経営力向上を目指す▽地域内外の担い手に農地を集積し作業効率を向上させる―ことを挙げた。
西部地区のうち川平・崎枝地域では全農地の1割近くの面積が遊休農地となっているため、耕作放棄地を増やさない取り組みとして耕作者の話し合いの場を定期的に継続できるようにするとした。
中部地区の名蔵では、高水準のパインの栽培技術を担い手や新規就農へ伝える必要があるとした。南部地区では、市街地の近郊にあって農業をしやすい環境から農地の出し手が足りていない状況にあることから、「農地の受け手と出し手を増やすため、地域による話し合いの場を増やす」とした。
町は与那国地区(祖納、久部良、比川)でプランをまとめた。地区内の耕作面積は490㌶。回答した農地所有者・耕作者の耕作面積は269㌶となっているが、現状休耕地で回答者がいない農地が190㌶にのぼる。70歳上の農家で後継者がいるとの回答はなかった。
プランは「耕作者の絶対数が不足していることや効率的な農地利用に必須である農機類の導入が不十分であることなどにより、休耕地面積は増加傾向となっている」「農業基盤整備率は約75%と高いが、かん水施設整備率は約6%と非常に低く、園芸品目などの生産環境が十分に整っていない」「将来の離農者に対する担い手の数は不足すると予測される」と課題を列挙。
その上で今後の農地利用について町外の希望者の受け入れも促進するが、住居不足が懸念されることから、古民活用など住居確保支援や移住環境整備に向けた検討を行う。
また、各種補助事業を活用したかん水施設整備率の向上に向けた検討も行うとしている。
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