建設資金、ネットで募る カンムリワシリハビリケージ

新しいリハビリケージの建設予定地は、速やかな野生復帰のため客の目に触れない場所が選ばれた=22日午後、石垣やいま村

終生飼養されるよんなーのケージ前に設置された募金箱=22日午後、石垣やいま村

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今年に入り石垣市内でカンムリワシの交通事故が多発していることから、カンムリワシのリハビリを行っている石垣やいま村の施設が逼迫している。一時はケージを仕切って収容数を増やすなどして対応していたが、今後も事故発生が懸念されることから、リハビリケージ建設のためのクラウドファンディングを行っており、広く支援を呼び掛けている。
「やいま村」は、2007年から県の傷病鳥獣飼養ボランティア施設として、交通事故で傷ついたり餌などが取れず衰弱したりした個体を野生復帰させてきた。これまでに67羽を放鳥している。
リハビリケージでは、野生復帰できず終生飼養されているカンムリワシの「よんなー」を含めて5羽が同時に収容されるなど救護飼養体制の綱渡り状態が続いた。
新たなケージは横16㍍、奥行き4㍍、高さ3㍍で建設費用は350万円程度が見込まれている。クラウドファンディングでは返礼品などを合わせた500万円を目標にしている。
「やいま村」の渡久山恵さんは「カンムリワシは国の特別天然記念物に指定されている。市民はもちろん国の宝として多くの人に現状を知ってもらい支援してほしい」と呼び掛けている。
カンムリワシの交通事故はここ10年では年間5~9件程度で推移していたが、2022年は3月までにすでに6件の事故が発生。3月5日には3羽が保護、収容されるなど過去に例のない事態となり、3月9日には環境省と石垣市が「非常事態宣言」を発出している。
クラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/view/569241)の締め切りは5月31日。寄付は、やいま村の売店カウンターやリハビリケージ前の募金箱でも受け付けている。
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