庁舎建設、2案検証へ 与那国町、移転と現在地
【与那国】町は17日、3月定例与那国町議会(崎元俊男議長)の一般質問で、新庁舎建設計画について高台への移転と現地建て替えそれぞれの案で総事業費の概算をまとめる方針を明らかにした。両案を比較して検証する考え。田里千代基氏の質問に答えた。
糸数健一町長は「職員・来庁者の安全、地震・津波の際も対応しないといけない。測候所近くだと高台に誘導できるので場所的に良い」と高台での建設に意欲。現庁舎の跡地利用については「町のランドマークになる拠点としてライブハウスもできるような町民会館を」との展望を示した。
譜久嶺弘幸副町長は、建設費や予算確保の方向性について説明。複合型ではなく単独で移転建設する庁舎建設する場合は9億円で、政府が進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)に対応したインターネット整備を加えると約1億円の増額。外構工事を含めると総額は14~15億円と試算した。
現地建て替えの場合は、津波浸水区域に近いため1階のピロティを含む5階建ての庁舎となり、エレベーターも設置する。地下が琉球石灰岩質のため、弱い地盤を強化するパイルを打つ必要があるという。パイルのみで5000万円~1億円と予想した。資産の総額については言及しなかった。
財源は庁舎建設基金6億5000万円、起債6~7億円、財政調整基金2億~3億円などを例に挙げた。
田里氏は町出身者の建築家のアドバイスや過去に頓挫した計画の検証の必要性を強調。「住民、郷友会、島出身の先輩の意見を聞き、原点に戻って仕切り直しが必要」と訴えた。
譜久嶺副町長は「単独での移転と現地建て替え版を比較する町独自のレイアウトが必要。まずはイメージを作りたい。移転した場合の時間も検証して、どちらが正しいのか見極める」と説明した。
田里氏はこのほか台湾との交流事業、休館中の大型ホテル早期再開など取り組み強化を求めた。
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