月額5万円で返済不要 3月定例与那国町議会
10日の3月定例与那国町議会(崎元俊男議長)で町当局が上程した返済不要の給付型奨学金条例案が全会一致で可決された。同給付金は町出身で4年制大学の学生が対象、来年度4月のスタートを目指す。町教委は現時点で月額5万円、勤務地縛りなど条件も付けない予定。詳細は3月中に施行規則で定める。
今回可決された「与那国町大谷彰宏給付型奨学金基金条例」は、大口のふるさと納税がきっかけ。町のカジキ釣り大会で常連選手の大谷氏(兵庫県)が昨年12月27日付で町に納税した。
企画財政課によると大谷氏は返礼品の指定をしなかったため、町は30万円寄付者に対するカジキ1本程度(約100㌔)の返礼を想定し、調達額の限度「3割以下」となる100本以上を与那国漁協と連携して準備する。大谷氏から全国の子ども食堂に提供するよう要望もあり、数年かけて発送する予定。発送料も寄付額から充てる。
今議会での可決を受けて寄付者の同意の元、残額分5500万円を新たな基金に繰り入れ、給付型奨学金として活用することになった。
同奨学金は、4月1日付で与那国町に2年以上住所を持つ保護者の子などが対象。町教委は高校3年生だと成績4以上、大学在学生は前年度までの履修科目の「可」が7割以上といった条件を付ける方針。ただ、「町奨学基金条例」に基づく、返済義務がある別の奨学金受給者は対象外。現在23人の利用者がいる。
給付額は糸数健一町長の意向を受け、月額5万円で検討している。施行規則は、3月末に開催予定の臨時教育委員会で可決されて決まる。初年度の対象者数調査も進める。
この日の町議会では、満100歳以上の町民の敬老祝金の支給額を2万円から10万円に上積みする与那国町敬老祝金支給条例改正案など4議案が可決。前日の9日には2021年度の一般会計補正予算など6議案が可決された。
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