西大舛町長を逮捕 送水管工事で談合疑い
竹富町が発注した海底送水管事業をめぐり、業者に入札情報を漏らしたとして、沖縄県警捜査2課は13日、官製談合防止法違反などの疑いで、町長の西大舛髙旬容疑者(74)=石垣市登野城=を逮捕し、町役場を家宅捜索した。
他に公契約関係競売入札妨害容疑で、プラント大手「JFEエンジニアリング」(東京都千代田区)社員A容疑者(51)=千葉県浦安市日の出=ら3人と、JFEから事業を請け負った海洋土木業「大恵インダストリー株式会社」社長のB容疑者(69)=宮古島市平良荷川取=、漁業C容疑者(75)=竹富町小浜=も逮捕した。いずれも認否は明らかにしていない。
逮捕容疑は2020年5月下旬、石垣島と竹富島を結ぶ海底送水管更新工事の指名競争入札で、西大舛容疑者がA容疑者らに最低制限価格を漏らし、公正な入札を妨害した疑い。
町は西大舛容疑者の決裁権限の下で、同年同月に工事を発注。JFE沖縄支店が6億7288万2000円で落札した。開札調書によると、最低制限価格を1000円上回るのみでほぼ同額だった。予定価格に対する落札率は91%だった。西大舛容疑者は、B容疑者を通じてJFE側に最低制限価格を漏らしたという。
県警は14日午後にも、西大舛容疑者の身柄を那覇地検に送検する見通し。西大舛容疑者による金品授受などの余罪や、他の公共事業での価格漏えいがなかったかなどを視野に、慎重に捜査を進める。
県警捜査2課は昨年5月、前宮古島市長を陸自配備計画の受け入れをめぐる収賄容疑で逮捕。19年10月には、伊平屋村の不法投棄未然防止事業をめぐり、官製談合防止法違反などの容疑で同村係長らを逮捕するなど、離島自治体での公共事業に絡む摘発が相次いでいる。
竹富町は九つの有人離島と、無人島で構成。西表島を除き水源が乏しく、町は同島や石垣島から海底送水管を経由して各島に水道水を供給している。
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