中山市長、尖閣を海上視察
- 2022年02月01日
- 政治・行政

尖閣諸島周辺海域の海上視察を終え、「望星丸」から下船する中山義隆市長=1月31日午後、石垣港

中山義隆市長、市職員らを乗せ、尖閣諸島沖へ向け出発する東海大学の海洋調査船「望星丸」=1月30日午後、浜崎町
中山義隆石垣市長が1月31日、東海大学の調査船「望星丸」(2174㌧)で尖閣諸島を海上から視察した。「石垣市海洋基本計画」に基づき市が委託した海洋調査に伴うもので中山市長が赴いたのは就任後初めて。現職の地元自治体首長による視察は異例で、中国側の反発を招く可能性もある。(9面に関連)
中山市長は30日午後5時ごろ、海洋調査を目的として同諸島へ向かう東海大の調査船「望星丸」に乗り込み、石垣港を出港した。市職員11人、市議など関係者も同乗した。31日午前7時ごろから魚釣島、北小島、南小島を約3時間視察。同日午後4時ごろ同港へ戻った。
下船した中山市長は取材に、「市の海洋基本計画で、周辺海域を漁業などで活用する上で実態調査をする必要があった。(尖閣を)海上から見たのは初めてで、非常に大きな島だった」と述べた。
視察時期については、調査を委託した東海大側の日程の都合上だと説明。中国海警局に武器使用を認める「海警法」の施行が2月1日で1年となるが「全くそういうことは考えていない」と否定した。
各島周辺では、望星丸の動きに合わせ中国海警局の「海警」2隻が日本の領海に侵入。第11管区海上保安本部によると、望星丸と並走するように航行し、その後領海の外に出た。
行政による現地調査は、2012年に東京都が実施して以来となる。前回に続き同行した東海大海洋学部の山田吉彦教授によると、目視でヤギによる食害を確認。海水を採取して汚染の程度や島の生態系の実態を分析し、漁業への影響を考えるという。
山田教授は「波が高く、一部の調査は見送る形となったが、今後の基礎となる海水のデータはとることができた。今後はサンプルを分析し、汚染の要因やプランクトンがどう育っていくのかという影響面も分析していきたい」と語った。
市は1日、同船で石垣島周辺海域を調査。午後2時からは記者会見を開き、調査結果などをまとめて報告する予定。
市は2020年10月、尖閣諸島の住所地の字名を「登野城」から「登野城尖閣」に変更。これに伴い昨年8月には新たな標柱も作り、設置のため政府に上陸許可を求めたが、許可されなかった。
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