赤瓦文書黒塗り「不適当」 審査会、情報不開示に結論
- 2022年01月15日
- 政治・行政
石垣市役所新庁舎の県外産赤瓦使用をめぐり、市が情報公開条例に基づく請求にほぼ非公開と決定したことに対して不服審査請求が行われ、弁護士と司法書士で構成する市個人情報公開・個人情報保護審査会(屋嘉宗浩会長、3人)が「非公開とした決定は妥当ではなかった」と判断していたことが分かった。昨年12月16日付で市に答申した。県外産赤瓦に関する情報公開に後ろ向きだった姿勢が浮き彫りとなった。
同条例に基づく請求は昨年2月8日、内原英聡市議が一般質問の資料を確保するため①赤瓦の選定過程に関する文書②県内赤瓦業者への見積もりに関する文書③赤瓦選定に係る使用承認書④上記文書(③)の最終決定者が分かる文書―の公開を求めて行った。
市は同2月17日、①②について文書不存在の決定を通知する一方、③④については決定期間延長を通知。同3月8日、部分公開決定を行い、「屋根工事施工計画書」を公開したが、事業者側からの要請を理由にほぼ黒塗り。施工要領書の日付、総則、工事概要、工事監理組織、施工計画など各項目の内容はすべてマスキングされていた。
これに対し内原氏は同5月11日、「経緯を確認することは主権者たる市民とし当然の権利で、悪質な知る権利の侵害行為だ。意図的に公文書を隠蔽している」などとして不服審査請求を行っていた。
審査会が調査したところ、屋根施工計画書には赤瓦製造を行う県外業者の記載があり、県外産使用を承認して最終決定をしていることなどを確認した。
市が条例第7条3号を根拠に法人に著しい不利益を与えることが明らかな場合に該当するとして非公開としたことに、審査会は公正で民主的な市民参加による開かれた市政を一層推進することを目的とする条例の基本的な考え方にのっとって「公開するか否かの判断がなされるべき」とした上で「法人に著しい不利益を与えることが明らかな場合に該当せず、非公開とした決定は妥当でなかった」と結論付けた。
市は同3月の部分公開決定後、同11月19日付でほぼ公開すると決定、審査会の答申を受け同12月22日付で文書を公開しているが、審査会は条例の原則15日以内の公開決定規定に言及し、「種々の検討事項を慎重に判断していたことを考慮してもなお、遅きに失した側面を否定できない」と指摘した。
さらに審査会は条例を運用する姿勢も疑問視。「公文書公開請求の段階で、実施期間は請求者と対象文書についてコミュニケーションをとるべきであったが、かかる作業が不十分であった側面を否定できず、そのことから請求者に不信感を与えたことは否めない」として今後に改善を求めた。
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