八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

「比嘉君、久しぶり」。仲山忠亨さんは…

 「比嘉君、久しぶり」。仲山忠亨さんは、いつもの穏やかな表情で自宅に迎え入れて下さった。昨年6月18日、5日後の「慰霊の日」に発行する著書「平和へのバトン」の取材。当時88だった▼仲山さんは戦争体験者。教員、校長、教育長も務めた。そんな経験から憲法9条を守る活動や教科書問題で先頭に立った。その際、取材でお世話になった。温厚な中に芯の強さが感じられた▼仲山さんは、県史編集委員会の要望を受け、歴史教育者協議会八重山支部長として戦争体験者の話を引き出し、これを「八重山地域の戦争体験」にまとめたことがある。その後、沖縄県史に収録された▼晩年になって「こと自分の家族に関してはどうなっているのか」「当時12歳だった私も90歳に達しようとしている。今残さなければ永遠に埋もれてしまう。今が最後のチャンス」との思いに至り、12人のうち6人をマラリアで失った一家の戦争体験を記録・整理し、前述の本に収めた▼仲山さんは去る6日、旅立った。告別式会場の入り口に、青空に白ハトが舞う装丁の本。バトンを託したいとの思いが伝わる。取材時に話していた言葉が思い起こされた▼「憲法9条はね、人類がたどり着いた世界最高峰のものなんだ。9条がね、重んじられる世界になってほしいんだ」。(比嘉盛友)

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム