関係機関連絡会議 ヤマネコの事故防止を
- 2021年12月18日
- 自然・科学
世界自然遺産登録の7月以降、西表島でイリオモテヤマネコの交通事故が多発しているのを受け環境省や竹富町、県、八重山警察署、民間団体など関係機関は17日、国際サンゴ礁研究・モニタリングセンターを主会場に連絡会議を開き、オンラインを含めて約40人が参加。イリオモテヤマネコの交通事故発生状況や各機関の活動報告、今後の対策について意見を交わした。
環境省西表自然保護官事務所は、今年発生した7件の収容個体のうち5個体が交通事故に遭ったことを報告。それぞれのケースの現場検証の結果や事故の要因を説明。今後の事故対策では、啓発活動や運転マニュアルの作成などこれまでの取り組みの継続のほか、道路に固執する特定個体への対応やSNSの活用、運転注意強化区間の設定など目撃情報に基づく対策の強化を示した。
JTEF西表島支部やまねこパトロールは、通行する車両の速度や自家用・レンタカー・営業車など種別を報告したほか、通行車両の速度が年々低下していると説明。「交通マナーは向上しており、世界自然遺産登録の影響もあり、島の自然を守っていく対策、ロードキル問題への関心は高まっている」と述べた。一方で、目撃情報が多発する特定個体など個別事例への対応体制など今後の課題を挙げた。
県自然保護課は、「ヤマネコの目撃情報収集システム」を開発・試験運用し、目撃情報の集計、整理の効率化や迅速な関係機関での情報共有、連携強化を図る方針を示したほか、新しい取り組みとして携帯電話や車両のナビシステムなどに組み込まれたブルートゥースを活用した24時間365日の交通実態調査を来年1月から実施すると説明した。
竹富町世界遺産推進室からは、道路わきの草刈りやイリオモテヤマネコ事故防止用のアンダーパスの維持管理についての対策が示された。
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