事業計画開示など要請 前勢岳北方リゾート施設
【那覇】前勢岳北方で㈱ユニマットプレシャスが進める「(仮称)石垣リゾート&コミュニティ計画」をめぐり、世界自然保護基金(WWF)ジャパン(末吉竹二郎会長)やアンパルの自然を守る会(島村賢正共同代表)らは16日、県庁に照屋義実副知事を訪ね、同社が申請している地域経済牽引事業計画の開示、地元住民・専門家の意見聴取など3項目を要請した。
要請者は我がーやいまの自然環境を考える会(宮城信博会長)などを含めた計11団体。同事業計画が地域全体の振興に寄与することへの担保や、環境影響評価書への知事意見項目に対する改善がなされるまで、同事業計画に同意しないことも求めた。
県は現在、地域未来投資促進法に基づき、基本計画と土地利用調整計画に対する同事業計画の適合性を確認しており、同法の承認要件を満たしているか審査を進めている。
同事業計画に県知事が同意した後は農地転用・農振除外の手続きに移り、許可については改めて県知事の同意が必要となっている。
WWFジャパン自然保護室野生生物グループフィールドプロジェクトリーダーの小田倫子氏は「石垣の人たちが長年守ってきた生態系に依拠する施設。自然は一度失われると戻らない。経済効果についても市民にどれだけ還元されるのか厳しくみてほしい」と強調。「自然環境に与える影響なども慎重に確認した上で懸命な判断を」と訴えた。
島村共同代表は「地下水の塩分濃度などの調査が不十分で非常に大きな問題。アンパルを守るためにもしっかり検討してほしい」と求めた。
照屋副知事によると県赤土流出防止条例等の開発行為に伴う手続きも必要で、県、関係部局、市と緊密に連携し、各法令にのっとり適切に対応する考え。「審査の手続きは時間的に先々まであるので注視をしていただき、注文があれば反映できるように配慮していきたい」と応じた。
要請書は石垣市長、環境相、経産相にも提出する。要請には石垣市出身の比嘉京子県議も同席した。
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