市街地拡大 「農業配慮」文言追加へ
第5次石垣市総合計画審議会(浦内克雄会長、24人)は10日、市役所内で第3回審議を行い、前期基本計画(2022~26年度)の素案に盛り込まれている「市街地の拡大(シードー線以北)」への文言追加を確認した。「人口増と災害に備え、高台にあたるシードー線以北で市街地を拡大する」との記述に、農業振興に支障がないようにするとの内容を挿入する。
シードー線以北への市街地拡大を巡っては、11月4日の第2回審議会でJAおきなわ八重山地区本部の石垣信治本部長が「農地を市街化に計画することは考えられない。JAの立場から容認できない」と反対を表明していた。
その後の庁内策定委員会でも「あくまでも市街化が可能な範囲を考え方として示したもの。誤解を生じさせないような説明が必要だ」、議会との意見交換でも「新川川沿いは危険ではないか」などの意見が出ていた。
ただ、今回の素案は審議会、庁内策定委、議会それぞれの意見を踏まえて修正されたものの、「市街地の拡大」については変更がなかった。
これに石垣本部長は「『人口増と災害に備え、国営土地改良事業や農業農村整備事業に支障がないように、高台にあたるシードー線以北で市街地を拡大する』との形に変更してもらいたい。そうすれば農業で頑張っている人たちの勘違いも誤解もなくなる」と再度要望した。
同じく委員の川満誠一副市長は「確かに言葉が足りない。本市の宅地は全体面積に対する比率が県内11市で一番低い、ただ単純に拡大するのではなく、農業振興に支障がないようにするのは当然。事務局に預からせてもらいたい」と応じ、浦内会長は「追加文言は事務局で対応を」と述べた。
このほか審議会では自然環境、医療福祉、文化交流などの分野でも提言があった。
これらを踏まえ、事務局(企画政策課)は素案にさらに修正を加えた上で今月中旬から1カ月間の市民意見募集(パブリックコメント)を実施する。パブコメの意見を反映させた案を審議会に諮り、答申を得て議会に上程する。
総合計画は市の最上位計画。10年間の基本構想、5年間の基本計画、3年間の実施計画で構成され、審議会は基本構想と前期基本計画の素案について意見を述べている。
基本構想の素案では、まちづくりの基本理念を「いつの世までも魅力と幸せあふれる島づくり」、将来像を「誰もが自分らしく幸せに暮らせる交流都市いしがき」としている。
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