八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

没後40年を迎えた作家・脚本家の向田邦子…

 没後40年を迎えた作家・脚本家の向田邦子。1981年8月、台湾の飛行機事故で急逝した。その向田作品のNHKドラマ「あ・うん」全4編が先ごろBSプレミアムで放送され、懐かしく視聴した▼初回放送は80年。昭和初期の山の手、日中戦争前夜の暗い時代を背景に、大人の恋の物語を情感細やかに表現した。好評を呼び81年に続編が放映され、向田は続々編にも意欲を示したが急逝により中断となった▼ドラマは男性優位の時代。妻子を愛しながらも威張りちらし、怒る、不器用で頑固な父親像がいかにも戦前昭和。また、79年には「阿修羅のごとく」全7編も放送された。哀調を帯びたトルコ軍楽が印象的なこの作品を覚えておいでの方もあるはず▼白状すれば、この両作品をテレビで見て心動かされ、向田ファンとなった。映像の後に原作を読むのは初めての経験である。活字の世界では男女の機微、心の揺らぎはより鮮やか。また、「父の詫び状」や「夜中の薔薇」など多くのエッセーも秀逸というほかない▼51歳の若さで散った向田。没後40年、関連書籍が数多く出版される向田ブーム。時代を超えて読み継がれる。それもかつての愛読者ではなく、20代から30代の若者層が中心というから興味深い▼女心の奥底にひそむ「阿修羅」も、もう一度ぜひ見たい。(慶田盛伸)

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム