港口に防護ネット用意 軽石漂着、漁船は自衛策も
- 2021年12月02日
- 災害・事件・事故
小笠原諸島の海底噴火由来とみられる軽石の漂着が八重山郡内でも相次いで確認されたことを受け、行政や漁業者らが対策に乗り出している。石垣島では1日、港や漁港の港口に汚濁防止ネットを設置する準備が進められた。漁業者も漁船の海水吸い込み口にカバーを設置するなど自衛策を取り始めている。
軽石の漂着は11月26日ごろから確認され始め、3市町によると、1日には石垣島平野、与那国祖納港で新たに見つかった。いずれも少量。11月30日には石垣島の東海岸、八島町の養殖場、石垣港などで多く確認された。29日まで続いた東寄りの風の影響とみられ、30日から北寄りの風が吹き始めたため、12月1日にはいずれの箇所でもわずかしか確認されず、多くが沖合に流れ出たとみられる。
ただ、風向や海流によっては再度押し寄せるおそれもあることから、石垣市港湾課は旧離島桟橋にネットを設置、同水産課も登野城漁港で準備をしている。県八重山農林水産振興センター農林水産整備課水産班は新栄町の石垣漁港の港口への設置を始めた。いずれも軽石の漂着が予想される場合に出入り口を閉鎖する。
石垣漁港では同日、漁業者が急きょ、軽石流入防止カバーの製作、設置に取り組んでいた。繊維強化プラスチック(FRP)に電動工具で小さな穴を開けるなどして加工し、船底にある吸い込み口に取り付ける作業を行っていた。
漁業者の1人は「吸い込み口から軽石が入ると軽石が詰まってエンジンが冷却されず、オーバーヒートを起こす。エンジンが停止したら大変なので、自らできる対策をとっている」と話した。
一方、竹富町、与那国町では漂着が少量で影響もないことから現段階で対策をとっていない。今後、状況に応じて対応する。
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