養殖場に軽石流入 漁業者ら誤食懸念
小笠原諸島の海底火山噴火による軽石が沖縄県内に漂着している問題で、石垣市の養殖場や石垣港離島ターミナルなどへの流入が29日に相次いで確認された。同日午後時点で養殖魚への影響は出ていないが、漁業者らは誤食による被害を懸念している。
このうち八島町の養殖場には28日午後から29日午前にかけ漂着。ヤイトハタや琉球スギを養殖している漁業者らはいけすの周りに網目の細かなネットを張るなど対策に追われた。
ヤイトハタ生産部会の與那嶺馨会長(68)は「朝来たらこの状態だった。東風が強くなっているからそれに乗って流れてきたのでは」と推測。「だんだん層の厚みが増してきている。ネットで十分対策はしているが少し心配。これ以上多くならなければいいが」と願った。
琉球スギを養殖している池田元さん(74)は「八重山にはそこまで来ないかと思っていたが洗礼を受けた気分。想像以上に粒が小さくてしぶきと一緒に飛んでくる。砂のようだ」と印象を語る。
池田さんによると、養殖開始当初に与えていた配合飼料の大きさが2~4㍉で今回の軽石と似ており、間違えて食べてしまう恐れがあるという。10月にはうるま市宮城島池味漁港で500匹余りの琉球スギが呼吸困難などで大量死した事例も発生している。
「今は大きな生き餌に切り替えているし、流入対策しているから大丈夫だとは思う。ただあと3、4日は注意深く様子を見たい」と語った。
■港内封鎖も検討 旧離島桟橋、きょう判断へ 石垣市、軽石対策でオイルフェンス
石垣港や八島町の養殖場に軽石が漂着したことで石垣市は29日、石垣港旧離島桟橋の湾内をオイルフェンスで封鎖する検討を開始した。潮流や風向きから大量の軽石が流入する可能性が高い場合、30日中に封鎖可否を判断し12月1日から実施する予定。
小笠原諸島の海底噴火で発生したと見られる軽石は今月25日以降、石垣島や竹富町の西表島で相次いで発見されている。
市によると八島の養殖場での軽石流入は現時点で被害がなく、市水産課と八重山漁協が軽石の回収方法を協議中。石垣港にも軽石が漂流しており、民間船が冷却装置内に軽石を吸い込んだケースもあった。
石垣港に関して船会社と協議した市港湾課は、軽石が滞留する可能性が高いとして旧離島桟橋内の港湾封鎖を検討している。
同課担当者は「漂着量によるが運航に影響がないなら旧桟橋を封鎖する。様子をみて12月1日から対策が講じられるよう準備する」と方針を述べた。
中山義隆市長は会見で「オイルフェンスの用意をしている。被害を最小限にしたい」と話した。
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