石垣から車両移送 自衛隊、民間港使い統合演習
自衛隊統合演習(実動演習)の大規模訓練が19日午後、石垣港で始まった。陸海空自衛隊が統合運用能力を高める狙いがあり、全国各地で30日まで実施される。訓練の一部には米軍も参加する。自衛隊からの要請を受け、石垣市は石垣港の利用を許可したが、民間港を利用した軍事演習に市民からは不安の声も挙がっている。
海上自衛隊の輸送艇1隻は同日午後0時50分過ぎ、石垣港の姿を現し、八島町のフェリーよなくに乗り場付近に10分で接岸した。午後3時半ごろから約30分かけて大型トラック1台を輸送艇に積み込んだ。その後、午後4時45分に与那国島祖納港へ向け出港した。
訓練開始を前に付近では、平和憲法を守る八重山連絡協議会(江川三津惠・平地ますみ共同代表)と石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会(金城哲浩、嶺井善、波照間忠共同代表ら)を中心に抗議活動が展開され、市民50人余りが中止や反対を訴えた。
江川共同代表は「台湾有事を想定したかのような訓練が陸海空と米軍が加わって行われる。生活物資の搬入や移動手段となる民間港は住民の命綱。入港を機にエスカレートする危険性をはらんでいる。軍事優先の防衛省のやり方に強く抗議し、訓練の中止を求めたい」と述べた。
嶺井共同代表は「農家は作った米、野菜、砂糖をこの港から運んで暮らしている。畜産も同じ。生活の基本となる食糧が入ってくる場所に自衛隊の艦船などを持ち込み島の中に移動させていくことがいかに危険なことか考えるときだ」と危機感をあらわにした。
抗議活動は当初、輸送艇の接岸場所近くで予定されていたが、港湾課の指示で八島第2駐車場近くまで下がり、自衛隊員とは対峙しない形で実施された。
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