しぅまむに 積極使用を 八重山語普及へシンポ
- 2021年11月18日
- 地域・教育
八重山語の普及と後世への継承について考えるシンポジウム「しぅまむにと八重山文化の未来」(沖縄県・しまくとぅば普及センター主催)が17日午後6時から石垣市民会館中ホールで開催された。パネリストとして地元で普及啓発に取り組んでいる5氏が登壇。継承に向けた具体的な方法などについて意見を交わした。
消滅の危機にひんしている八重山語の可能性について考えることを目的に同センターが初開催。会場には関心のある市民ら約150人が来場し、満員となった。
会では「次世代への継承」をテーマにしたディスカッションを実施。コーディネーターは波照間永吉センター長が務め、大田静男氏(市史編集委員)、中本謙氏(琉球大学教授)、黒島健氏(市文化協会すまむに部会長)、半嶺敬子氏(しぅまむに伝承研究会員)、登野城このみ氏(前盛フミ舞踊研究所教師)がパネリストとして登壇した。
黒島氏はすまむにを話す大会の開催やかるた、絵本「八重山の昔話」の作製など部会の取り組みを紹介したうえで「しぅまむには文化そのもの。消滅は八重山の歌や踊り、郷土愛の消失につながる。何らかの策を講じない限り消滅は待ったなし」と危機感を示した。
今後に向けて「家庭や学校の場で話す魅力や楽しさを伝え、継承への機運を高めたい。高齢者が話すスマムニを宝と位置づけ、耳にする機会をつくろう。皆さんと連帯感をもって継承に励み輝く未来を作りたい」と協力を求めた。
宮良婦人会で継承に取り組む半嶺氏は「敬語が分からないから、相手が分からないから話さないことが一番の問題」と指摘。「話せる人はまず方言で話してみる。分からなかったら標準語を話す。それぞれの家庭で2か国語を使った新生活を始めてみてほしい。毎日少しずつ使えば話せるようになるし、皆で取り組めば方言は残ると信じている」と日常での積極的な使用を呼び掛けた。
登野城氏は小学校の方言お話大会や青年会の勉強会など大浜地域の活動を紹介し「こうした取り組みは絶対に絶やしてはいけない」と強調。「方言を学ぶことは楽しいし一言でも話せるとうれしい。この気持ちを若い人にも伝えていけたら。間違ってもいいから皆で使おう」と語った。
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