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西表観光管理計画 改定へ 作業部会、自然遺産登録受け

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 【西表】「持続的な西表島のための来訪者管理基本計画」の改定に向けた作業部会の第1回会合が18日、竹富町離島振興総合センターで開催された。西表島の世界自然遺産登録を決定した国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関から、観光客の収容能力と影響に関する厳しい評価を行い、観光管理計画に統合するまで入域観光客数の水準を現計画の目標値(年間33万人)に留めるか、減少設定するよう指摘を受け、計画の見直しに着手する。今後、作業部会の中で素案を作成し、上部組織の西表島部会で承認を目指す。

 会合は、非公開で行われた。事務局の県によると、部会の委員は環境省、林野庁、県、竹富町、町観光協会、八重山ビジターズビューロー、民間船舶会社、エコツーリズム団体のほか、学識者など。

 事務局が現計画の内容を説明、諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)の指摘事項も報告した。出席者から「個別の指標ではなく、西表の観光をどうするかポリシーが必要では」「西表島の観光の在り方を示すべきだ」と意見があったという。

 また、大人数の周遊型観光、遺産登録区域への影響が大きい自然体験型観光、滞在型観光をそれぞれ個別に分け、「遺産区域や住民が生活する周辺区域への影響も検討すべきだ」と声もあった。

 年間を通して観光客の集中を分散・平準化するための「混雑カレンダー」を運用するほか、地元観光業者と意見交換を行い新計画に反映させる予定だ。

 一方、竹富町の西大舛髙旬町長が公言した「年間目標値を33万人から14万人に引き下げる」考えについての議論は見通しが立っていない。

 世界遺産委員会は、日本に対してIUCNが要請事項の進捗・結果の検証を行うため、2022年12月1日までに世界遺産センターへ報告するよう求めている。今後のスケジュールは、完成に近い改定・観光管理計画を同センターに提出後、最終承認を23年2月の西表島部会で目指している。

 現計画は、観光による環境・住民生活への影響を抑制し、観光による地域社会への波及効果をさらに広げようと20年1月に策定、IUCNに遺産登録の追加資料として提出した。ことし5月の遺産登録勧告時に内容を改善するよう要請が出ている。

 

■初会合非公開を非難 「やまパト」、委員就任拒否

 「持続可能な西表島のための来訪者管理基本計画」改定に向けた第1回作業部会が、非公開開催だったことを巡り、地元の自然保護団体が「非公開で決めてしまうことは、島民が不利益を被る可能性が高くなる」と非難した。県によると、出席委員の承諾を受け次回以降の会議は一般公開で行い、第1回会議の議事録も県ホームページで公開するという。

 自然保護団体の「やまねこパトロール」は、計画改定にむけて作業部会の委員就任を打診されていたが、受諾条件に第1回会議の一般公開を求めていた。しかし、県は同会議を非公開にし、今後の公開・非公開の是非は委員に諮ると結論付けたため、就任を辞退。

 同団体の高山雄介事務局長は「広く島民の生活や利害に関わる会議を非公開で開催してしまうことは、一部参加者の利益誘導につながりかねない。また、発言者の責任があいまいになるなど、結果的に多くの島民が不利益を被る可能性が高いため、非公開開催は断じてするべきではないと考える」と強調。

 さらに、世界遺産条約はその運用ガイドラインにおいて「遺産管理に関わる計画の立案や執行には住民の参加を奨励している」とし、現計画策定の作業も公開されなかったとして、「非公開の場で『ざっくばらんな議論』を集約したが、IUCNに計画の不備を指摘された。それを受け、今回の改定作業部会の開催に至っているという経緯も、十分反省する必要がある」と言及した。

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