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「与那国もっと深く」 ばちらぬん最高賞

「ばちらぬん」を製作した仲間とグランプリ受賞を喜ぶ東盛あいかさん(中央)=24日、国立映画アーカイブ(提供)

「ばちらぬん」を製作した仲間とグランプリ受賞を喜ぶ東盛あいかさん(中央)=24日、国立映画アーカイブ(提供)

東盛さん、さらなる高みへ

 〝映画監督の登竜門〟といわれる「PFFアワード2021」は「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに毎年開催され、これまでに園子温監督や黒沢清監督など160人以上のプロ映画監督を輩出している。今回は489本の応募作品から入賞した18作品が上映され、与那国島を舞台に土地の持つ記憶や歴史、文化を描いた「ばちらぬん」が頂点に立った。

 表彰式で作品名が呼ばれた瞬間、「悲鳴に近い声が出るほど驚いた」という東盛あいかさん。舞台上で涙をぬぐいながら「『ばちらぬん』という言葉は忘れないという意味がある。この映画のことを多くの人に呼んでもらえる度にすごくうれしく思う。映画で誓った忘れないことが少しずつ未来に何か運んでいけるのではないかと強く思った」と語った。

 本来は島でオールロケ、全フィクションで撮影する予定だったが、コロナ禍で企画を変更。悩んだ末にフィクションとドキュメンタリーをかけ合わせた構成に。「自分のふがいなさに日々ちょっとずつそがれていく感覚もあったが、皆に観てもらえて本当にうれしい。一緒に作ってくれた皆と島にいる皆に早く伝えたい」と笑顔を見せた。

 審査員で俳優の池松壮亮さん(31)は「素晴らしい映画に出会えたと思っている。人の記憶、血の記憶、土地の記憶、そういったことを観るものに感じさせてくれる。言葉にならないことをなんとか映像でつかみ取ろうとしている強い意志を感じた。この映画の強い精神と技術的なバランスにとても感銘を受けた」とたたえた。

 東盛さんを含め受賞7作品の監督は「PFFスカラシップ」への挑戦権を獲得。企画書など審査が通れば製作費援助を受け商業映画を制作することができる。今後は「ばちらぬん」の全国の劇場上映と島での凱旋上映を目指しながら新作の構想に取り組む。

 「今回はコロナに左右され悔いが残る部分もある。もう一度深く掘り下げて与那国島で撮影したい」と意欲を語り、「映画祭を通して多くの刺激を受けたし、自分はまだまだ未熟と感じた。またここからスタートしたい」とさらなる高みを見据えた。

 「ばちらぬん」は10月9日から15日まで那覇市の桜坂劇場で上映される。

  • タグ: 映画PFFアワード
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