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新生児治療用ベッド満床 周産期医療が危機

コロナ陽性の母親から産まれた新生児を隔離するために設置した隔離室=18日午後、八重山病院

コロナ陽性の母親から産まれた新生児を隔離するために設置した隔離室=18日午後、八重山病院

八重山病院 「妊婦ら感染しない行動を」 

 八重山で唯一周産期医療を担う県立八重山病院のNICU(新生児集中治療室、3床)とGCU(回復治療室、6床)が、早産児などが増え満床に達している。同院は、八重山で新型コロナウイルスの感染が急拡大している現状を危惧し、出産を控える妊婦とその家族へコロナに感染しない行動をとるよう求めている。感染した状態の母親から産まれた新生児はNICUで隔離が必要。NICUやGCUのベッド数を減らして対応にあたらなければならず、同院は「他の出産に大きな影響を与える」と危機感を募らせている。

■早産の赤ちゃん増加

 同院での出産件数は、先月51件、今月18日時点で40件以上に上る。例年に比べ早産児が多く、NICUとGCUはフル稼働の状態が続く。

 NICUでは、予定日よりも早く産まれたため低体重だったり、呼吸器・循環器状態が不安定だったりする新生児を保育器等を用いて全身管理している。医療スタッフが24時間体制で心拍数、血圧、血液中の酸素状態などをモニタリングしながら高度な治療をしていく。GCUはNICUで状態が安定してきた赤ちゃんの治療を引き続き行う。

■家庭内感染を防ぐ

 新生児の治療用ベッドが埋まるなか、同院が最も警戒しているのが妊婦のコロナ感染だ。八重山ではコロナ陽性の妊婦が出産した事例はないが、9月28件、10月21件の出産が予定されている。

 小児科医長の孫田みゆき医師は、妊婦が注意すべき点の一つに家庭内感染を挙げる。これまでもウイルスを家庭内に持ち込み、家族に感染を広めた事例は数多い。

 コロナ陽性の母親から産まれた新生児は、NICU内で緊急的に設置した隔離室で状態をみていく。検査で陰性判明が出るまで隔離は解除されない。隔離室を運用するには、NICU内のゾーニングに十分なスペースが必要で、既にNICUやGCUに入るベッド数を減らすことも想定。最悪の場合、出産が近い非コロナの妊婦を沖縄本島に搬送するケースも出てくる。

■問われる郡民の行動

 デルタ株に由来する流行「第5波」は八重山でも起こっており、孫田医師は妊婦の感染対策に加え、家族や周囲が妊婦をコロナ感染から守るよう訴える。同院の吉嶺厚生医療部長は「妊婦の家族は必ずワクチンを打ってほしい」と話す。

 また、孫田医師は早産のリスクを下げるため定期的な妊産婦健診を勧め、妊娠中の観光客の来島自粛も呼び掛ける。「八重山地区の出産を診ている施設はここしかない。(NICUとGCUは)満床でギリギリの状態。ここにコロナ陽性の母親から出生した赤ちゃんが入ってくると崩壊する。安心安全な医療提供のレベルは落ちてしまうので、それだけは避けたい」と窮状を語った。

 限られた医療資源を守るため、一人一人の行動が問われている。

  • タグ: 新型コロナウイルス八重山病院周産期医療
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