指摘事項への対応検討 世界遺産登録後、初開催
- 2021年08月18日
- 自然・科学
【西表】奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産候補地地域連絡会議の2021年度第1回西表島部会が17日、西表大原の離島振興総合センターで行われ、世界遺産委員会から指摘を受けている観光管理やロードキル、河川再生、森林伐採などの対応について話し合った。また、候補地は同委員会の審議を経て7月26日、世界遺産登録が決定したことから同会議の名称を「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」と改めることなどを決めた。
世界遺産委員会からの指摘事項のうち、特に西表島に対しては観光管理として観光客数を現在と同程度か減らすことを求められているほかイリオモテヤマネコの輪禍など野生生物のロードキルが問題視されている。
会議では、西表島来訪者管理基本計画の改定として、観光の現状と動向をモニタリングしつつ、案内人条例やエコツーリズム全体構想、利用者負担制度の導入、10月ごろ設立が予定される西表財団などと連携した包括的計画となるよう方針などの見直しを行うことや観光客の送り手となる業界や事業者への働きかけの強化、定期便の事前予約や決済システムの導入の検討などの案が示された。
今後、作業部会や専門家のヒアリングを経て2022年7月ごろまでに同委員会へ提出するリポート案の作成を目指す。
絶滅危惧種など野生生物のロードキル防止については、関係行政機関や専門家による会議を開催。現在のロードキルの発生や対策の実施状況を踏まえた上で今後の取り組みや方針を決めるほか、同委員会へ提出するリポートの内容について検討する。
これらの指摘事項については22年12月1日までに世界遺産委員会への提出が求められている。
会議では西表島の自然環境保全や持続的な利用に向けた「西表島行動計画」の関係機関の進捗状況なども報告された。
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