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古謡の源泉掘り探る 伝統の稲作文化から

もみを器具で取り除く「イニシリ」を行う会員ら=7月3日、西表島浦内

もみを器具で取り除く「イニシリ」を行う会員ら=7月3日、西表島浦内

収穫した田んぼに向かい、初穂刈りから豊年祭までの間だけに限り歌うことが許されている「仲良田節」を歌う会員ら=7月3日、西表島浦内

西表エコツー協会 体験通し継承

 【西表】人と自然が共生する西表島を目指し活動を続けるNPO法人西表島エコツーリズム協会(平良彰健会長、会員約70人)の「古謡と米作りの会」は昨年から稲作文化を学ぼうと、会員で米作りに挑戦している。西表島では田んぼを耕しながら山や海の恵みを頂く古くからの暮らしが続く。水田には水生昆虫やカエル、カニ、鳥類、イリオモテヤマネコが集い豊かな生態系が息づいている。

 西表エコツー協会は2、3年に1度「伝統・継承・創造」をテーマに西表島人文化祭を開催。島民たちが継承してきた伝統文化や地域のさまざまな文化活動を紹介し、島内外の文化交流の場としている。

 同会は2019年開催時に舞台で昔から田植えや稲刈りの時に歌われてきた古謡を披露。その際メンバーから「古謡がなぜ歌われるようになったのか学ぼう」と提案があり、20年から稲作体験を始めた。 

 7月3日、西表島浦内地区で会員ら20人が、収穫後にもみをする「イニシリ」を行った。木摺臼に籾米を投入し2人で息を合わせてひもを引く。臼のつぎ目から玄米があふれ出ると歓声が上がった。

 同会では、機械を使用せずくわなど手作業にこだわる。ことしは3月下旬に田植えをし6月下旬に収穫した。

 同会リーダーで水稲農家の那良伊隼人さん(41)=祖納=は「昔から田んぼは生き物の餌場だった。カエルを狙ってあぜ道にカンムリワシやヤマネコがやってくる」と田んぼが小動物の命をつないでいるという。「機械を使わないのは大変。ただ、こうして皆で作業をすることで古くから伝わる稲作文化を体験できる」と話す。

 時代の変遷で産業や地域社会も変化した。那良伊さんは「今も昔も五穀豊穣への祈りと感謝する農耕儀礼は変わらない。動物も人間も祖先の上に今の僕たちがいることを忘れてはいけない」と敬う。

  • タグ: 表島エコツーリズム協会稲作体験
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