与那国町長選挙が終わった。糸数健一氏が…
- 2021年08月10日
- 不連続線
与那国町長選挙が終わった。糸数健一氏が町政刷新を掲げ初当選、今後4年間、地域振興のかじ取り役を担う。まずはお祝い申し上げる▼でも、その選挙の告示日にあえて「2023年度までに与那国島への陸上自衛隊電子戦部隊配備検討」をぶつけてきた岸信夫防衛大臣による記者会見の意図は何だろう。あえて争点化する狙いは何か。選挙結果の「民意」というお墨付きを得る口実とするためかと勘繰りたくもなる▼糸数氏は電子戦部隊について言明せず、支えた保革共闘は内部分裂含みの様相という。政権のあては外れたか▼電子戦部隊は車載型のネットワーク電子戦システム(NEWS)により電波の収集・分析や敵の通信を妨害する。中国やロシアが電子戦分野の能力を向上させるなか、宇宙・サイバーに並ぶ電磁波という新領域への対応を強化する狙いという。来春には那覇駐屯地、知念分屯地に数十人規模の部隊が発足する。いずれ宮古島駐屯地、石垣島にも配備されるのではないか▼本土の保守系論壇は「台湾有事」をあげつらい、中国を露骨に敵視してやまない。さらには南西諸島において米海兵隊と陸自の共同作戦に言及するなど、われらが島々の「戦場化」すら平気で論じている▼島に生きる私たちの姿などどこにもない。これを黙していられるか。(慶田盛伸)
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