各地、静かなユッカヌヒー 神事に願い託す
- 2021年06月14日
- 芸能・文化
冨崎観音堂、長崎御嶽を巡った後、海に向かって航海安全と大漁を祈願する西組ハーリー委員会の役員=13日午前、石垣漁港
「ハーレー歌」を奉納する池田元さん(左)と東二組ハーリー委員会ら=13日午前、天川御嶽
旧暦5月4日「ユッカヌヒー」の13日、郡内各地で漁業者の航海安全を祈願する海神祭が新型コロナウイルス感染拡大のため縮小して執り行われた。最大の石垣市爬龍船競漕大会は2年連続の中止となり、各組(東一、東二、中一、中二、西)が船をそろえる「スネー」もなく、ハーリー委員会役員らによる神事のみ。フナクヤ(伊原間)、細崎(小浜)、久部良(与那国)も祈願のみと昨年に続き静かな伝統行事に。白保と白浜は「御願バーリー」を行い、漕ぎ手がエークをさばき海の恵みへの感謝とことし一年の大漁、無病息災を願った。
市ハーリー委員会は当初「御願バーリー」のみ実施を予定していたものの市内の感染急拡大を受け、5月31日に中止を決定。昨年は各組で行ったスネーもそれぞれ中止とした。
このうち西組ハーリー委員会(末吉正和委員長)は午前5時半、ハーリー屋に役員4人が集まり神事を行った。塩、米、果物、茶菓子などの供え物と神酒を用意し、線香をあげヒヌカンに手を合わせた。その後、冨崎観音堂、長崎御嶽、石垣漁港を巡り豊漁と字民の安全を祈願。最後は再びヒヌカンに手を合わせ、予定した神事を滞りなく終えた。
末吉委員長(56)は「御願バーリーだけでなくスネーも行わなかったのは史上初。中止は仕方がないが海神祭は海人が一番輝く舞台なので本当に残念」と複雑な心境を語り、「おととしは中西合同で3連覇を達成、西組は上がりバーリー単独3連覇を狙っている。来年こそは開催することを願う」と思いを新たにした。
東二組ハーリー委員会(具志堅武委員長)は午前7時から天川御嶽、船着御嶽、真泊御嶽の3カ所を巡った。天川御嶽では役員ら9人が集い神酒を供えた後、池田元さん(73)が「ハーレー歌」を奉納した。
具志堅委員長(57)は「通常は1週間前から準備で忙しく気持ちの高揚もあったが、ことしはそれがなくて寂しい。安全と大漁、そしてコロナの終息を強く願った。来年こそは3年分盛大にできたら」と期待した。
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