「しぃさぶむに」を形に 日めくり完成、体の語彙収録
- 2021年05月29日
- 地域・教育
日めくりには白保方言と国際音声記号、例文も載っているほか温かみのあるイラストも描かれている=27日午後、白保
「しぃさぶむに日めくり」を手に笑顔を見せる金嶺光江委員長と迎伊秀さん、笠原利香さん(右から)=28日午後、白保
白保方言を保存し後世に継承していこうと白保村ゆらてぃく憲章推進委員会(金嶺光江委員長)は「しぃさぶむに日めくり―からだ編―」を作製、29日から販売を開始した。委員らは完成を喜び「地域の宝を形にできた。ぜひ活用してしぃさぶむにに触れてほしい」と期待している。
この取り組みは2020年度大濱晧文化振興基金を活用。日めくりの内容は同委員会方言アヨー学習部会で検討し校正作業を重ね、構想から約1年で完成にたどり着いた。
31枚の日めくりにはそれぞれ体に関する語彙が収録されている。標準語、白保方言、国際音声記号が記されているほか、白保地域ならではの温かみのあるイラスト、単語を用いた例文も記載されている。方言の監修は迎伊秀さん(92)、イラストは笠原利香さん、レイアウトはタナカミキコさん、発音記号は国立国語研究所特任助教の中川奈津子さんが担当した。
例文は実用的なものからコミカルなものまでさまざま。アシィ(汗)では「ミッファン アシィヌンドゥンダ」(たくさん汗をかいた)、アマスクル(頭)では「パギアマスクルナペーヌシュルブッタガー」(はげ頭でハエがすべった)など頭に残る内容となっている。同会は今後も同基金を活用しながらバージョンアップしたものを作製していく予定という。
金嶺委員長は「時間をかけて表現を考え話し合う過程が貴重だった。学べば学ぶほど奥が深くて面白い」と魅力を語り「実現できてうれしい。クオリティーも高く子どもからお年寄りまで楽しんでもらえる内容となっている。お家に一冊置いてしぃさぶむにを覚えてほしい」と期待した。
中川さんは「素晴らしい取り組み。研究成果が還元できたこと、地域に少しでも役に立てたことはうれしい。方言にもより親しみが出ると思う」と語った。
日めくりは300部作製。価格は1500円(税込み)。同委員が中心となり販売し、売り切れ次第、随時増刷する。
問い合わせは(sabumuniyura@gmail.com)まで。
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