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朝日がのぼり始める頃、遠く近くにリュウ…

 朝日がのぼり始める頃、遠く近くにリュウキュウアカショウビン、こっかあらの鳴き声が聞こえはじめ、わが家周辺にだんだんと近づいてくる。今日1日、何かいいことがあるのかも。そう思わせるここ数年、この時期の朝のひとときの、ささやかな幸せ▼しかも今年は鳴き声からして数羽いて、庭のゆし木の枝に真っ赤な姿を見せてくれる。山でのテリトリー争いに敗れた若鳥か、1羽はさえずりがあまりお上手ではなく、鳴き声もほほえましい▼かつて父の年忌法要を小浜島で営んだ時に、すぐ近くに高く美声が響いた。亡き父も喜んでいるか、心洗われる一声だった。参列の古老のお一人が「ごっからーんぬ来(きー)うるなー」と喜んだ。ただそれだけでうれしい一幅の絵▼こっかあらの美声に喜びを感じるのは、それがうりずん、若夏の季節を連れてくるからなのか。それともさまざまな人生経験と歳を重ねてきたゆえんだろうか。子どもの頃はそんなにうれしさを覚えた記憶がない▼山へ行けば、あちらこちらでこっかあらが鳴きかわし、相思樹の小さく黄色い花が風に舞い散っている。イジュの白い花が今を盛りに咲き誇り、時は確実に移ろってゆく▼あの若鳥も、ひと夏の恋の季節を経て美声に生まれ変わるに違いない。きっと。そんなことを思う1日だった。 (慶田盛伸)

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