本マグロ初水揚げ 八重山漁協
今期初となる本マグロ(クロマグロ)の水揚げが4日午前、八重山漁協であり、本マグロ漁のシーズンが幕を開けた。昨年は新型コロナウイルスの影響で本土市場へ送る空輸便が大幅減となって打撃を受けたため、漁業関係者からは「マグロの大漁と空輸便が元に戻ることを願いたい」と期待する声が上がる。
第1号の水揚げはマグロはえ縄漁船「第一あずさ丸」(比嘉隆船長、乗組員3人、9㌧)。3月31日に多良間島北約30㌔の沖合で操業。当たりが来てから約30分ほどで釣り上げたという。体長215㌢、重量189㌔の中型。
比嘉船長(54)は「昨年は一番最後の水揚げだったから今年は早めに出たが、それが正解だった。第1号は最高の気分」と笑顔を見せ、「昨年は最悪な年だった。空輸便などまだ心配はあるが、これからまた気合を入れて漁に出たい」と意気込んだ。
水揚げされた本マグロはその日のうちに豊洲市場に空輸され、5日のセリにかけられた。コロナの影響で相場価格が下落する中、1㌔当たり3000円の値が付いたという。
船主の金城一雄さん(70)は「まずまずのすべり出し。ただ市場からは『鮮度と脂ののりも最高』と評価をいただいたので、もう少し値がついて欲しかった」と惜しんだ。
八漁協によると、昨年は550本、約105㌧の水揚げがあった。今年度の都道府県別漁獲可能量は127㌧。昨年は青森と台湾から漁獲枠の譲渡を受け207.7㌧と例年より大幅に増加したが、今期は未定となっている。
市場販売課の友利邦明課長は「昨年は水揚げ自体は多かったが、本土市場に送れず漁業者にとって厳しい年になった」と振り返り、「4月に入り完全ではないが空輸便も戻りつつある。ことしは本マグロの大漁と本土便の戻りを願いたい」と話した。
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