畜産農家も歓迎 バイオマス発電を計画
太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー関連事業を手掛ける県外企業が、牛ふんなど有機性廃棄物を原料とするバイオマス発電事業を石垣島で計画している。昨年11月以降、石垣島和牛改良組合(佐久川直組合長)に説明を行うなど調整を進めている。同組合も牛ふん処理の観点から「ぜひ応援したい」と歓迎、石垣市への支援要請を検討している。
計画しているのは㈱東洋開発コンサルタント(大内将伸代表取締役)=松山市=。同社によると、原料は牛ふんのほか食品残渣や廃食油など。発電した電気は沖縄電力に販売する。発電過程で副産物として液肥と堆肥ができるため、地元農業に還元することで耕畜連携が可能になるという。これによって循環型農業を構築し、地域農業の活性化に貢献したいとしている。
一方、予定地が農振地区内にあるため、市に農振除外への協力を要請している。同社は、市が政府のSDGs未来都市に選定されていることから「そのSDGs構想と弊社のプロジェクトは親和性がかなり高い」としている。
同社は昨年11月5日、和牛改良組合理事会でプロジェクトを説明。同組合は同年12月の家畜セリ市で署名活動を行い、約250人から賛同を得た。
組合員の一人は「石垣島の資源は観光なので、牛ふん処理は大きな課題。しかし、牛ふんすべてを石垣島堆肥センターでは処理できないので、処理するところがあれば助かる。ぜひ行政も協力してほしい」と話す。 牛ふん処理をめぐり、市は2004年の家畜排せつ物の管理適正化・利用促進法の完全施行を受け、08年度に石垣島堆肥センターを整備して堆肥化を進めているが、センターの搬入には保管施設など許可基準を満たす必要があるため回収率は低い。市によると、昨年12月現在、肉牛農家490戸のうち、同基準を満たす登録戸数はわずか68戸。回収率は9・12%と試算されている。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。