観光客も一緒に海岸清掃 ONE HAND ONE CLEAN
石垣島の砂浜のごみを島民だけでなく観光客も巻き込んで減らしていく取り組み「ONE HAND ONE CLEAN」プロジェクトが3月上旬から始動している。発案者でデザイナーの堀家実悠希さん(22)=東京都=は石垣市内のマリン業者と協力しながら「気軽に手軽に楽しく」をモットーにごみ拾いの輪を広げていく。
堀家さんは3年前に旅行で訪れた際、マリン業者big beach石垣島の大浜之浩代表との会話から海岸ごみの現状を知った。当時広島大学教育学部で美術を専攻していた堀家さんは「学んでいるデザインの力で何とかならないか」とプロジェクトを考案した。
内容はプロジェクトに賛同する市内マリン業者のツアーに出かけ、帰る際にごみを一つ拾うというもの。参加の証として堀家さんがデザインした限定オリジナルステッカーをプレゼントする。
昨年3月に始めたクラウドファンディングでは約11万円の支援が集まり、ステッカー約3000枚を作製。始動のため市内業者に呼び掛けると「予想をはるかに超える」28業者が協力に応じた。
堀家さんは「大好きな島だからこそ現実から目を背けてはいけないと思った。石垣島に旅した時にごみを拾うことがステータスになる文化をつくりたい」と思いを語った。
大浜代表は「ごみ問題は普段フィールドにしている私たちマリン業者が向き合わないといけないこと。呼び掛けてくれたので全面的にサポートしたかった」と感謝、「日常の中にごみ拾いがあると続けやすい。今後も協力業者を増やして成功させたい」と笑顔を見せた。
3月9日、第一弾となったbig beachの浜の島をめぐるツアーでは利用客6人が参加。一人一人浜に打ち寄せられたペットボトルやプラスチックを拾い集めた。
広島から旅行に訪れた男性(36)は「意外にごみが多く、景観を損ねていて心が痛んだ。(旅先で)楽しみつつ環境にも配慮する方法を考えるきっかけになった。これからもお手伝いしていけたら」と語った。
堀家さんは1日から同プロジェクトのクラウドファンディング第2段を公開し、協力・参加を呼び掛けている。
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