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偏見「今もある」34% 「ない」22%

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郷土史家・大田氏

本紙ハンセン病市民意識調査

 ハンセン病患者の強制隔離の根拠となった「らい予防法」の廃止から1日で25年を迎えるに当たり、八重山毎日新聞が石垣市民を対象にハンセン病に関するアンケートを実施したところ、今も元患者への差別や偏見が「あると思う」との回答が34%、「ないと思う」が22%だった。40歳以上の「ある」は50%に上った。今もなお周囲からの偏見や差別があると見られる傾向がうかがえた。

 今も差別が「あると思う」と答えた人を対象にその理由を尋ねたところ、「テレビや新聞で今も差別があると報道しているから」「ハンセン病であることを隠している人がいるから」が最も多かった。

 認知度を尋ねる項目では、62%がハンセン病のことを「知っている」と回答。年代別にみると、20歳以上では「知っている」が89%を占める一方、19歳以下では「知らない」が86%と世代間で大きな隔たりがあることが分かった。

 「知っている」と答えた人のうち、ハンセン病患者が隔離されていたことを知っているか尋ねたところ、95%が「知っている」「何となく知っている」と回答した。

 八重山でも強制収容が行われていたことについては6割弱が「知っている」「何となく知っている」とした。

 ハンセン病患者を治療する国立療養所国頭愛楽園が設立された1938年以降、八重山では日本政府や米軍によって3回の強制収容が行われ、1回目は72人、3回目は61人がそれぞれ隔離された。

 同病気に対する印象については「怖い」19%、「怖くない」38%、「どちらともいえない」43%だった。(三ツ矢真惟子記者)

 【調査方法】アンケートは3月14~29日の間、学校や公園、グラウンドゴルフ場やウェブ上などで実施。10代~90代までの男女102人から回答を得た。

 

■「刷り込み」の影響を指摘 「啓発活動を」 郷土史家・大田氏

 ハンセン病は薬で治る病気。正しい知識を理解すれば、差別や偏見をしている人たちが間違っていると気が付くのではないか。そのためには、行政がもっと積極的に講演会などの啓発活動をやっていく必要がある。

 子どもたちには正しい知識を教えることが大切だ。ハンセン病の歴史をぜひ学校教育でも取り上げてほしい。人権週間で取り組んでいる学校もあるが、まだ十分とはいえない。

 19歳以下の86%がハンセン病を「知らない」と答えているが、これは妥当だ。宮古南静園や沖縄愛楽園などの施設があれば、ここでの交流を通して「知っている」と言えると思うが、見聞きしないと予防法が廃止されたずっと後に生まれてきた人たちはわからないだろう。

 八重山にも回復者はいるが、「回復者です」と言ったら差別されると思って口をつぐんでいる。息子などから「絶対に言うなよ」と言われている人もいる。子どもに迷惑をかけたくないという思いもまだ強く残っている。

 社会全体が正しい知識を持つことに加えて、当事者自身が地域と向き合うことも必要だ。他地域の回復者で活動している人を見ていると、八重山でも「薬で治ってるんだよ」と堂々と生きてほしい。また、勇気を持って立ち上がってほしいと思う。

 差別・偏見について「今もあると思う」と答えた人の理由である「テレビや新聞で今も差別があると報じているから」と、「ないと思う」と答えた人の「ハンセン病のことを知らない人も多いから」というのは、性質は非常に似ている。「知らないから差別はない」と言っている人たちがいつ「あると思う」に転じるかはわからない。

 法改正されても、これまでの「刷り込み」があるから、簡単には差別はなくならない。子の世代、孫の世代まで間違った知識による差別や偏見が引き継がれてしまわないためにも、啓発活動が必要だ。(談)

  • タグ: ハンセン病市民意識調査八重山毎日新聞
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