大人の自覚と責任胸に コロナ禍、300人が門出祝う
コロナ禍で約2カ月延期された2021年石垣市成人式に晴れ着姿で臨み、祝福を受ける新成人ら=21日午後、石垣市総合体育館メインアリーナ
2021年石垣市成人式出席前に入り口で検温を受ける新成人ら=21日午後、石垣市総合体育館メインアリーナ
新成人の門出を祝う2021年石垣市成人式(石垣市主催)が21日午後、石垣市総合体育館メインアリーナで行われ、事前にPCR検査で陰性だった300人が参加した。約2カ月遅れの開催となったが、新成人らは振り袖やはかま、琉装などに身を包んで旧友と再会。親族や地域の先輩後輩、母校の教師などから祝福を受け、新成人としての自覚と責任を胸に決意を新たにした。今年の郡内の新成人は602人。
今年は、式典・アトラクションともに例年に比べ規模を縮小しての開催となった。
新成人を代表して野原佳太さんは「コロナ禍の中で不安はあったけど、一生に一度の成人式をたくさんの仲間と迎えられて幸せ。家族や地域などの支えのおかげ」と感謝。花城美海さんは「20年間で培ったものを生かして、辛く困難なことがあっても前を向いて歩んでいく」と誓った。
式典では、▽座席間隔を1㍍取る▽すれ違い防止のため、出入りを一方通行にする▽成人者一人につき保護者一人に制限▽成人者・保護者ともに検温・消毒を徹底する―などの対策が講じられた。
式辞で中山義隆市長は「一人前の大人として責任ある行動を心がけ、模範となってほしい。自信と希望と勇気を持って、自分の道を進んでください」と激励。平良秀之市議会議長は「コロナ禍で孤独などが心配される今だからこそ、一人一人が思いやりを大切にして、同級生や家族先輩後輩との絆を強めてほしい」と述べた。
式典の後には、3高校郷土芸能部出身の新成人らによる座開き「鷲ぬ鳥節」や、ミニライブで「後浜君とゆかいな仲間」のバンドメンバーがBEGINの「笑顔のまんま」や「オジー自慢のオリオンビール」を含む計4曲を熱唱した。
式を終えて、新成人の金城紀香さん(20)は「無事に式を迎えられてよかった。コロナで延期や開催が危ぶまれたりしたからこそ、普段よりも印象に残る式になった。社会人として責任感を持った大人になりたい」と抱負を述べた。
■PCR検査受け参加 2カ月遅れ、異例の晴れ舞台
今年の成人式は、開催時期の延期や、事前に2回のPCR検査での陰性が参加要件となるなど、例年とは異なる形での開催となった。事前検査では4人の新成人が陽性と判明し、参加不可となったほか、「延期で都合がつかない」、「持病があり感染が心配」などの理由からおよそ80人が式への参加を見合わせることになったという。
さまざまな理由で参加がかなわなかった新成人や親族、地域の人たちのために石垣市は成人式のライブ配信を行うなど初めての試みにも取り組んだ。
中山義隆市長は式典で「コロナ禍など世界的な大きな流れから、自分一人では乗り越えられない壁や困難に会うこともあると思う。その時その時に、諦めることなく、最善を尽くして壁を打ち破ってほしい」と新成人らを鼓舞。
新成人の一人は「コロナ禍で参加を見送るか迷ったけど、せっかくだからと思い参加した。周りにはいないけど、内地に住んでて参加できなかった人とかもいると思う」と気づかう。県外に住む別の新成人は「感染が拡大している中で島に帰ってくるのは不安もあった。PCR検査で陰性と出たので、そこは安心できた」と心境を語った。
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