浦内橋架け替え 迂回路盛り土100㍍に短縮
【西表】八重山土木事務所は8日夜、中野わいわいホールで浦内川河口に架かる浦内橋(橋長272㍍、幅員6.5㍍)の架け替え工事に向けた住民説明会を開いた。新設橋は、迂回路を整備し旧橋撤去後、同じ位置に施工する。説明会では、迂回路の一部盛り土部分の長さを当初案180㍍から100㍍に短縮することが示された。工期は約12年間、今月中にも盛り土整備に向け着手の見通し。河口付近は、世界自然遺産登録の緩衝地帯に推薦されている。
同所は、昨年9月の第1回説明会で上がった主な意見を持ち帰り、今回の説明会で回答した。
前回からの変更点は、迂回路の盛り土部分の長さを短くしたこと。全長380㍍の迂回路は既設橋の上流側に整備する。当初案は、鋼製仮橋よりも盛り土の方が費用が安いため、白浜側から盛り土180㍍、上原側から鋼製仮橋200㍍で計画していたが、水の流れを変えたり、白浜側でのマングローブ伐採、水陸生物へのリスクが懸念されていた。
前回説明会で、住民から盛り土が与える影響をシミュレーションするよう注文があった。同所がシミュレーション費用を試算した結果、一定規模の期間を要し莫大な額になることが判明。シミュレーションと鋼製仮橋延伸の費用を比べ差がなかったため、鋼製の距離を延ばすことにした。
盛り土部分が縮小されたことで▽周辺環境に与える影響を軽減させる▽マングローブ伐採面積の減少―などの効果が期待される。これに伴い、短縮した80㍍部分に予定していた、イリオモテヤマネコが盛土の中を通り抜けできる「ネコボックス」の設置は不要となった。
同事務所担当者は盛土100㍍について、迂回路を施工する大型クレーンの組み立てや資機材の置き場など、作業スペースを確保するため「最低限の盛り土範囲が必要」と理解を求めた。
説明会は、新型コロナウイルス感染防止の観点から西部地区の公民館関係者らに限定し開かれ、約20人が参加した。
既設の橋は1969年に築造。51年が経過し、塩害で各部材の腐食が顕著。ひび割れ等による損傷も橋全体に広がっている。
新設の橋はコンクリート製橋長274㍍、幅員9㍍(うち歩道2㍍)。5径間箱桁橋。水面から桁下までの高さは、既設とほぼ変わらない。総事業費約50億円。工期の内訳は、迂回路施工4年、旧橋撤去1年、新橋施工6年、迂回路撤去1年と、ステップを踏んで施工する。
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