石垣市 北西部活性化センター白紙 旧水産研施設購入を断念
- 2021年03月02日
- 政治・行政
財務省所管の旧西海区水産研究所石垣支所=桴海大田=を「北西部活性化センター」として整備する計画を持っていた石垣市が同支所の購入を断念していたことが分かった。同センター構想は事実上白紙となる。市はことし1月、国の予定価格と市提示額に隔たりがあったため辞退届を提出し、議員らに伝えていた。市は、国の公表に合わせてホームページなどで知らせる。
議員らによると、市はこれまで複数回にわたって国と見積もり合わせを行ってきたが、「これ以上続けても見積額以上は出せない」として断念した。
同支所は2017年4月、国立研究開発法人水産研究・教育機構西海区水産研究所亜熱帯研究センター八重山庁舎に機能を移転した。
市は18年3月議会で当初予算案に同支所購入費として5億1000万円を計上したが、「購入後の利活用が不透明。購入後の維持管理にも疑問がある」などとして全会一致で否決され、予備費に組み替えられた。
これを受け、同年10月、事業計画書を議会に提出。測量や不動産鑑定を行うための委託料を確保し、作業を進めてきた。
沖縄総合事務局は19年6月、国有財産沖縄地方審議会の答申を受け、土地約2㌶と建物計15棟、給排水施設など工作物を時価で売り払う方針を決定していた。
不動産鑑定士の評価を基にした予定価格に対し、同額以上の場合に売却するという流れとなっていたが、市の提示額がこれに達しなかった。
市は同施設の活用方針として▽地域交流▽学術研究▽水産資源陸上養殖▽エコツーリズム―のエリアを設定。これらの活用案の範囲で民間事業者を公募・選定し、整備運用を託す予定だった。
当時の審議会では「過疎対策に有効」「地域活性化に役立つことを期待したい」などの意見があったが、価格面で実現できなくなった。
伊原間公民館の根間建有館長は取材に「残念としかいいようがない。ただ、北部地区としては距離感があった。平久保小学校は4月から休校になるが、明石小、伊野田小も似たり寄ったり。平久保半島の活性化に行政の力もほしい」と話した。
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