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30年以上本格調査なし 荒川のカンヒザクラ自生地

以前は山の中腹をピンク色に染めていたカンヒザクラも現在ではまばらになっている=10日午前、荒川のカンヒザクラ自生地付近の県道から撮影

以前は山の中腹をピンク色に染めていたカンヒザクラも現在ではまばらになっている=10日午前、荒川のカンヒザクラ自生地付近の県道から撮影

国の天然記念物

 国の天然記念物に指定されている「荒川のカンヒザクラ自生地」の本格的な調査が1990年を最後に30年以上行われていないことが10日、分かった。石垣市教育委員会文化財課では毎年、目視による確認をしているが、時期がばらばらで分布範囲や開花状況などを比較できない状況だという。市文化財審議会委員で当時の調査にも参加した島村賢正氏は「冬の観光資源でもある。適切な管理をして保全していく必要があるのではないか」と指摘。同課は「必要があれば審議会に諮り調査したい」と述べた。

 同自生地は日本で唯一の自生地ということで学術上の重要さから文化庁によって1972(昭和47)年に国の天然記念物に指定されたほか「石垣島荒川のカンヒザクラ」として20㌶が乱獲や人為的な影響により極端に少なくなる恐れのある植物群、個体群として環境省の特定植物群に指定されている。県の策定する「自然環境の保全に関する指針」でもその重要性が指摘されている。

 市教委が90年に実施した「荒川のカンヒザクラ保護増殖事業」の調査では、天然記念物指定地域内に374本(生木369本、枯木5本)を確認。調査報告書では▽個体周辺の遮蔽木の処置とシロアリに対する処置▽母樹を保護するために絡みつくつる植物の除去▽自生地保護には地域の理解と協力が必要―などの課題が挙げられている。

 調査前の88年と89年にはカンヒザクラ保護のため300本近い樹木の周りで伐開作業が行われており、これらのサクラは90年の調査でも特に樹勢が良く伐開による保護対策は成果を上げたがその後は、手入れなどはされていない。

 島村氏は「周囲の樹木や植林されたリュウキュウマツが成長するとカンヒザクラの成長を阻害する可能性がある」として定期的な管理の必要性を訴える。

  • タグ: カンヒザクラ自生地
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