崖っぷちの観光業 3月の修学旅行も危機
- 2021年02月03日
- 社会・経済
国が主要都市を対象に行っている緊急事態宣言の延長が2日、発表された。今回の延長で宣言期間は1月8日から2カ月間に長期化し、GoToトラベルキャンペーンも停止を継続する。市内の観光関連事業者にとっては、経営難に追い打ちをかけることになる。「我慢も限界」「補償がない」「3月の修学旅行も見込めない」と崖っぷちだ。
2日午前、川平湾では駐車場に車が一台も無かった。川平公園内の観光施設や土産店もほとんど臨時休業している。
2月7日まで休業と告知しているグラスボート事業所の担当者は、国の方針について「感染を抑えるには仕方ない」と一定の理解を示す。ただ、県が独自に飲食店に行っている時短営業の協力金のような助成が観光施設にはなく不満が募る。
1~3月の期間、団体客の予約はすでにない。修学旅行の予約も次年度だ。同担当者は「ただ我慢しろということだが、我慢にも限界がある」と訴える。
3月の修学旅行にも暗雲が広がる。当初、学校側は新型コロナの感染拡大期を回避し、2~3月に振り替えることが多く、観光バス業界は日程調整に苦心していたほどだった。
ところがGoTo停止に緊急事態宣言と続いて状況は一変。ある観光バス事業所では2月の修学旅行がなくなり、3月予約にも危機感を持つ。同事業所の担当者は「旅行会社が簡単にキャンセルしないよう学校を引き留めているが、3月頭の予約は消える可能性がある」と懸念。「学校の春休み期間に修学旅行はない。(状況が)改善されたら春休み前の17~18日出発分は残る」とわずかな望みを語る。
GoTo停止以降、主要ホテル稼働率は10%前後といわれる。石垣市観光交流協会の高橋秀明副会長は、宣言延長の最大の痛手に3月の修学旅行を挙げる。自身が経営するホテルでは、2月の修学旅行9校3000人がすでにキャンセルとなり「宣言延長で3月の修学旅行も見込めそうにない」と話す。
国の緊急事態宣言に関して、観光業者に営業補償などの支援はない。同副会長は「雇用調整助成金で人件費をカバーすることしかできない。緊急宣言が明けたあと、需要喚起のリカバリー策を行政も一緒に考えないといけない」と呼び掛ける。
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