防災ラジオの運用開始 迅速・確実な情報伝達
石垣市は1日、緊急告知防災ラジオの運用を開始した。㈲石垣コミュニティーエフエム(東太田政三代表取締役)の協力を得て緊急・災害時に迅速で確実な情報を伝達する。市は携帯可能な防災専用ラジオを857台導入し、緊急時に早めの避難を必要とする市内の障がい者、高齢者、避難を手助けする自治会役員や自主防災会役員らに無償貸与する。地震、津波、気象警報などの速報をFMいしがきサンサンラジオの電波を活用して専用ラジオへ発信し、早期避難につなげていく。
現在、市内で整備されている災害情報伝達手段は防災行政無線、エリア・防災メール、石垣市LINE、Jアラートなど。一方、メールを受信する端末の操作が苦手な高齢者や非保有者がいるほか、屋内で防災無線が聞き取りにくいなどの課題があったため、情報伝達ツールの多様化が求められていた。専用ラジオを普及させることで問題の解消を図る。
本年度は、市災害時要援護者に登録されている高齢者世帯、障がい者ら355人に加え、避難を支援する各地域住民へ優先的に専用ラジオを貸し出す。一般市民、事業者には次年度以降、販売する予定。
導入に当たり、一般財源約4000万円でシステムを構築し、ラジオ100台を購入。石垣市ふるさと納税の寄付約1000万円をラジオ457台に充て、総務省から300台の提供を受ける。
専用ラジオはFMいしがき以外のAM・FM放送も聴取可能。機器は特殊な設定がされていて、緊急告知の速報が出るとラジオのチャンネルに関係なく、強制的にFMいしがきの電波から割り込み放送を行う。ラジオが電源オフでも自動起動で告知放送を受信し、機器のLEDランプ点滅で知らせる。聞き逃した場合は「聞き直しボタン」を押して最大5件分までさかのぼり放送を再生できる。今後、聴覚障がい者用に電光掲示板をセットにした貸与も行う。
運用開始式が同日午前、市健康福祉センターで行われ、緊急放送に関する協定締結調印式があった。
中山義隆市長は「災害時の緊急放送から身近な放送まで幅広い内容を住民の皆さまに提供できるシステム。今後も市民や観光客に防災情報が広く確実に伝えられることで、災害に強いまちづくりを推進していきたい」と決意を示した。
東太田代表は「今後も行政と連携し、市民へ迅速な情報を伝達したい」とあいさつ。防災ラジオの提供を受けた市自主防災会連絡協議会の新城浩健会長は「去年からコロナで世の中は大変。こうした情報もラジオで発信してほしい。機器の貸与はほんとうにありがたい」と感謝した。
式ではFM放送のオンエア中に割り込み放送を行うデモンストレーションがあった。
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