GoTo停止で在庫の山 土産店悲鳴、苦肉の格安販売
石垣市内の土産店が賞味期限付きの菓子など在庫を大量に抱えて悲鳴を上げている。昨年11月はGoToトラベルの効果で観光客が押し寄せて観光産業に活気が戻り、ある土産店では単月の売り上げが過去最高を記録。この波を見込んで年明けに販売する商品も発注したが、商品が届いたころには急転直下のGoTo停止。倉庫は在庫の山と化している。
ユーグレナモールでスタッフ数人と長年にわたって「島のみやげ館」を切り盛りする上原幸子店長によると、GoToで東京が対象となる前の昨年10月決算では過去20年で初めての赤字を出し、系列店2店舗はやむを得ず閉店にした。
10月以降はGoToで持ち直したところへ、今回の新型コロナウイルスまん延に伴う停止。上原店長はリーマンショックや東日本大震災も経験しているが、それらを上回るインパクトがあるという。「年間の売り上げは半分ほどに落ち込んだ」と嘆く。
多くの土産店では、冬季は仕入れ先の企業がある沖縄本島からの航路が荒れることから例年、11月から12月にかけて年明け分のまとまった量の商品を仕入れており、急きょ発表されたGoToトラベル停止で大量の在庫を抱える事態に。
生菓子など賞味期限が短いものもあることから、「食品ロスになるぐらいなら赤字でも」と半額セールなど大幅な値引きで在庫処分を始める店舗も。上原店長は「ネットでも店頭でも買えるのでおいしいお菓子をこの機会にぜひ食べてほしい」と市民に協力を呼び掛ける。
さらに1月の県独自の緊急事態宣言が追い打ちをかける。市役所通りで土産物店を営む男性は「経営が成り立たない。同じように税金を納めているのに、飲食ばかり協力金が出て不公平感がある。国は沖縄にも緊急事態宣言を出すべきだ」と国の支援を訴える。
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