これ以上耐えられない 飲食以外から悲鳴

不要不急の外出要請などを求める県独自の緊急事態宣言初日。美崎町は人影もまばらだった=20日午後8時半ごろ

いつもは修学旅行生らでにぎわうカヌーや遊覧船。西表島内では休業する事業者が相次いでいる=20日午後、浦内川
県独自の緊急事態宣言期間が20日、始まった。2月7日までの19日間、県内全域で不要不急の外出・往来自粛が求められており、22日からは飲食店を対象に午後8時までの時短要請も行われる。時短要請の対象地域が石垣市など7市から全域に拡大され、店舗ごとに協力金が支給されるようになった。竹富、与那国両町の飲食店からは安堵の声が漏れる一方、飲食以外の業種は不安を募らせている。(9面に関連)
小浜島で飲食店を営む女性は「GoToが停止になった時点で客がほとんど来なくなった。時短要請で協力金が出るので助かる」と歓迎する。
直近1週間の売り上げが前年比で5分の1程度に落ち込んだという美崎町で居酒屋を経営する男性は「店舗ごとの協力金となって業界を気にして拡大してくれたと感じる。ただ、午後8時までの時短と午後7時までの酒類提供だが、休業要請と同じ。時短か休業か決めたい」と困惑気味。
一方、西表島のマリンレジャー関係者は「時短要請の協力金4万をもらうほうが得する店舗もあると思う。『コロナ貯金』ともささやかれており、対象者と対象外との差は大きい」と皮肉る。
石垣市内の土産店経営者は「県独自の緊急事態宣言が出ても飲食店以外には協力金がない。雇用調整助成金が1カ月延長されて3月までとなったが、それまでにコロナの感染拡大が収束するのを祈るのみだ」と表情を曇らせる。
川平湾で観光関連業を営む女性は「もっと観光業にも目を向けてほしい。飲食店は地元の人が来たり、昼には弁当を作ったりといろんな手がある。観光業は観光客が来ないとどうにもならない。今回の休業でつぶれるお店もあるのでは」と訴える。
黒島でレジャー業を営む男性は「こうなると思っていたので年明けから長期休業に入っている。今回の協力金は飲食にスポットが当たっており、不満がある。島では休業している民宿もあり、いつまで我慢すればいいのか。ことしのゴールデンウイークまで長引いたらたまったものではない。止めるならきっちり止めてもらいたい」と語気を強めた。
西表島で旅館を家族経営する女性は「年末年始は満室のときもあった。GoToを使わずに来る人もいると思っていたけれど、ふたを開けてみたら全くいなかった。自粛がこれ以上続くのは耐えられない」と切実に訴えた。
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