GoTo再開だのみ 観光業襲う“稼働ゼロ”
年末に国のGoToトラベルキャンペーンが一時停止して2週間が過ぎ、街から個人や団体を含めた観光客が一気に姿を消している。観光業には、業種の隅々まで影響が出ている。レンタカーや観光バス業界は開店休業状態となり、“稼働ゼロ”状態の日々が事業者を襲っている。GoToトラベルの再開だのみという状況だ。
■レンタカー1日1組
レンタカー業では、年末年始から観光客数が減ったことで利用台数が減少。ある経営者の男性によるとGoTo期間中の10~11月は利用者が多く、予約率が保有台数を超える120%に達することもあったが、政府がGoTo停止を発表した昨年12月14日夕、キャンセルの連絡が殺到し予約率は3割に激減。年が明けた現在は、1日1組の利用ペースが続く。
同事業所では、5月のゴールデンウイークと年末年始の料金設定を通常の2倍に設定。今年度は書き入れ時を逃したことで、年間売り上げは例年の半分を見込む。同男性は「3月にGoToを再開したとしても単価が安くて忙しいだけ。売り上げは伸びない」と予測する。
■バス予約、直近は2月
観光バス業では団体、修学旅行が途絶えて仕事がない。観光バスのみを運営するある事業所は昨年12月28日のGoTo停止以降、稼働していないという。
1月は団体旅行と修学旅行で予約率が120~130%となったが、全てキャンセルに。残った予約は直近でも2月末だ。3月の修学旅行も予約10校中、2校キャンセルとなった。
また、昨年10月から始動したGoToトラベルに合わせ、休車申請していた全ての車両を稼働。保険、点検、車検の諸整備で1台当たり最大50万円かけて準備してきただけに傷口も広がる。
同事業所の担当者は「一時停止の前日まで、ツアー客はいた。GoToが再開してくれたら、観光客が来てくれることに期待している」と話す。
■「GoToがあれば…」
竹富町内の島々で周遊観光ツアーを展開する石垣島ドリーム観光は12日から2月7日までの期間、臨時休業に入った。離島の観光施設が休業し始めたことや、GoTo停止と首都圏の緊急事態宣言が影響した。
同社担当者は「首都圏から(客が)来ないと人も増えないので緊急自粛にした。首都圏の宣言解除に合わせて再開する」と説明。「GoToがあれば、普段来られない観光客も来るのでありがたい。すぐにでも再開してほしいが、コロナ収束を先に目指したい」と述べた。
安栄観光、八重山観光フェリーも同様に周遊観光を一時中止している。
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