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海砂を満載した荷馬車が行きかうように…

 海砂を満載した荷馬車が行きかうようになれば、「もういくつ寝ると」の頃だ。半世紀あまり前の押し迫る師走の風景である。その砂を庭に敷き詰め、ほうきの目を入れるのは子どもの仕事だった▼大みそかは「年(とぅし)ぬ夜(ゆー)」といい、肉、根菜類や昆布などがたっぷりの「年取り振る舞い」を家族そろって食べた。島々にテレビはなく、紅白歌合戦など知らなかった。登野城1町内にあった「鳩の湯」で一年の汗を流した▼元旦だけでなく、三が日毎日がハレの日。大空にたこがうなりをあげ、大人たちは三線を肩に親戚や職場の上司宅巡り、友人宅巡りに夜遅くまでいい気分だった▼子どもたちはといえば、来客のたびにお年玉を期待した。一年のうち3日だけの現金である。おもちゃ屋に直行し、モデルガンを購入して得意満面の男子がいれば、着物姿でまりつきの女子たちもあった▼丸映館、沖映館、万世館など映画館は連日の大入り満員だった。子どもたちは主人公やその仲間が登場すれば「いい者、いい者」、悪役が出れば「悪い者、悪い者」とささやいた。全員のささやきは館内にこだまする大合唱になった▼街並みも人々の暮らしも、むろん正月風景も年ごとに変わってゆく。変わらぬものは、改まる年に祈る心。いい年をお迎えください。 (慶田盛伸)

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