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いわゆる「密貿易」や八重山からの木材運搬…

 いわゆる「密貿易」や八重山からの木材運搬をしていた宮古出身の砂川金三さん(92)=浦添市=のことを27日付の本紙9面で紹介した。砂川さんのその後のことに触れておきたい▼砂川さんは沖縄本島に出て、宮古出身の先輩が働いている建設現場に行った。仕事をさせてほしいと責任者に掛け合ったところ、「今は間に合っている」と断られるのだが、「手伝います。お金はいりません」と、強引に働き始めてしまった▼「もうどこにも行きようがないわけですよ。当てもなく宮古から来てるわけだから」。思いはシンプルだ▼現場の責任者も困ったのだろう。無給で働き続ける砂川さんの粘り勝ちというべきか、雇われることになった。同郷の先輩を頼って仕事を探す人は珍しくない。では、押しかけて居座るようにして仕事をもらってしまうガッツとなるとどうか▼戦後の混乱期と、新型コロナウイルスに振り回される今という時代を比較しようとは思わない。状況に応じて生きる道をつかんでいく物語は、サクセスストーリーというほど華やかではなく、地道で泥臭い▼砂川さんは結局、この仕事場で定年まで働いた。「あの時のやり方を見たら、すごい青年だったなと思いますね」。かつての自分を思い出しながら、砂川さんはえもいわれぬ表情をした。(松田良孝)

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