世界津波の日避難訓練 石垣市
「世界津波の日」の5日、石垣市は防災体制の向上を目的に津波避難訓練を行った。職員80人が市役所から一時避難所となっている石垣小学校の3階屋上に徒歩で避難し、竹富町の職員10人余りも参加した。中山義隆市長らが通信機器の応答訓練を行い、複数の通信手段が機能することを確認した。同校の児童367人も屋上に避難する訓練を行った。
八重山地方で午前9時45分、震度6弱の地震が発生したとの想定で行われた。職員は「姿勢を低く、頭を守って、揺れが収まるまでじっとして」の安全行動を1分間実施。同48分に大津波警報が発令されると、市は庁内放送、防災情報一斉メールで通知、各施設などにも情報を伝達した後、石垣小に避難誘導した。
避難訓練に参加した児童らに中山市長は「今日の訓練のように避難できるようにしてほしい。万一、はぐれても高い場所に避難してください。家に戻ったり、友だちを探したりせず、自分の命を自分でしっかり守って下さい」と呼び掛けた。
この後、通信機能の応答訓練を行い、中山市長が県行政ネットワーク無線の可搬型無線機を使用して県対策本部に連絡、石垣安志教育長が衛星電話で平久保小学校に安否確認、知念永一郎総務部長が携帯の災害時優先電話で石垣島地方気象台から情報収集、消防本部が消防無線で川平・伊原間出張所管内の避難確認をそれぞれ行った。竹富町職員も衛星電話で西表島西部と連絡をとった。
市防災危機管理課によると、衛星電話は天候に左右されやすいことから、パラボラアンテナを確保している。災害時優先電話は、対策要員20人に常時携帯させている。
訓練終了後、中山市長は「通信は問題なくできた。災害時には迅速に臨機応援に対応してもらいたい。まず自分の命を守って次の行動に移し、市民一人一人の命を守ってもらいたい。街全体の防災機能を高めるため日ごろから準備を」と総括した。
竹富町の新城寛樹防災危機管理課長は「常日ごろから意識を持って行動し、実践的な訓練を通して迅速に対応できるよう準備することが必要だ。今回の訓練が成果につながれば幸い」と述べた。
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