「めちゃくちゃきれい」 郡内修学旅行で再発見
- 2020年11月06日
- 地域・教育
新型コロナウイルスの影響で、多くの小学校が修学旅行の行き先を沖縄本島から郡内へと変更している。このうち宮良小学校(仲間一史校長)の6年生24人は10月29日、1泊2日の日程で石垣島を巡る修学旅行を体験した。野底マーペー登山、リゾートホテルでの宿泊、マリンスポーツ、工芸体験に珊瑚養殖など盛りだくさんの旅を通して、地元の観光地や自然の魅力に触れた。(前木深音記者)
■気づき
学校をバスで出発し、最初に向かったのは「つぃんだら節」にも歌われる野底マーペー。初めてマーペー登山を経験する児童も多い。頂上が近づくにつれて細くなる山道を踏みしめ、「そこ一番やばいから気をつけろ」「自分のペースでいいぞ」などと声を掛け合った。
登ること約20分。前盛竜人君(12)は頂上の岩場にたどり着いた瞬間、島を一望できる絶景に目を奪われた。「登るのはきつかったけど、頂上はめちゃくちゃきれい。頑張ったかいがあった」と汗をぬぐった。
宿泊先は川平の石垣シーサイドホテル。ホテル提供のマリンレジャーとして、底地ビーチの沖合に繰り出しマリンスポーツやシュノーケリングを満喫した。
佐藤夕楠さん(11)は、海底の一部に養殖サンゴの一帯を発見。ブロックに植え付けられたサンゴを見て「石垣の自然から動物や植物が少なくなっている気がする」と地元の自然環境に思いを巡らせた。
■貴重な機会
ホテルでの夕食はバーベキュー。感染症対策として児童1人につき一つのトングが用意された。通常のビュッフェ形式も変更し、スタッフが料理を配膳した。加藤遼太君(11)は「シーサイドホテルは名前は知っていたけど初めて泊まった。ご飯もおいしくて、対応もすごく良かった」とご満悦。
ホテルにとっても、地元の子どもたちの宿泊は貴重な機会となったようで、職員は「地元の人たちの理解なしに観光業の発展はない。島の子どもたちが泊まってくれるのは大変うれしいこと。沖縄本島に行けず、がっかりしたと思うが、最高の思い出になるようもてなした」と胸を張った。
工芸体験では、各事業所の感染症対策の工夫を目の当たりに。みね屋工房でミンサーコースター作りに挑戦した加藤君は、機織り機と機織り機の間に飛沫防止用のアクリル板が設置されていることに驚き、「ここまで考えてくれているんだ」と感銘を受けた。
■意義ある旅行
保護者によると、保護者間では与那国島行きに人気があったが、子どもたちが「マリンスポーツができるところがいい」と望んだため、石垣島での修学旅行に。
仲間校長は「子どもたちがそれぞれ石垣を再発見できたのはいい体験だったと思う。沖縄本島に行くのとはまた違う意義のある旅行になった」と振り返った。
保護者の一人は「沖縄本島に行ける状況ではなかったけれど、中止にせずに、修学旅行に行かせることができて良かった」と喜んだ。
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