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戦時中、軍用飛行場の整備に携わった元軍人

 戦時中、軍用飛行場の整備に携わった元軍人のことを聞いた。舞台は県内のある離島である▼元軍人は戦後、ヤミ貿易を行い、木材の取引でまとまった金を手にした。父親は「娘を内地の美容学校へやりたい」と言い、元軍人はその大半を妹の学資に充てた▼元軍人は妻と二人で、少額の元手でできる商売を始めた。小さな店でアイスキャンディーを売ったり、そばを出したり。役場職員や教員の口を紹介されることもあったが、断っていた。遠因は戦時中の飛行場整備にさかのぼるらしい▼筆者に元軍人のことを聞かせてくれたその子どもは「飛行場を造るために人をたくさん集めて、工事をする。いつまでに仕上げなさいと言われる。だけど、間に合わない」と話した。元軍人には人々に無理を強いた経験があったのではないかというのである▼役場職員や教員という仕事は、戦後はそれほど待遇がよかったわけではない。ヤミ貿易のほうがもうかったともいわれる。ただ、戦時中の飛行場整備で少なくない人たちに無理を強いた後ろめたさがある以上、尊敬を受けやすいこうした仕事に就くわけにはいかない…。これが子どもの見立てである▼元軍人はすでに物故している。その心中は推測するほかないが、公に仕える意味を考えさせる生き方をした人である。(松田良孝)

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