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チョウチョウウオ 地球温暖化が生息に打撃 水産技術研究所八重山庁舎

白化耐性が弱いタイプのサンゴのポリプを好んで食べる3種類のチョウチョウウオ(水産技術研究所八重山庁舎提供)

白化耐性が弱いタイプのサンゴのポリプを好んで食べる3種類のチョウチョウウオ(水産技術研究所八重山庁舎提供)

バランスよい保護必要 特定のサンゴ好む種も

 水産技術研究所八重山庁舎の主任研究員・名波敦氏は、チョウチョウウオが種類によって特定のサンゴを選択的に食べることを明らかにし、高い水温で死滅してしまう種類のサンゴを好む種も特定。地球温暖化の加速がチョウチョウウオの生息に大きな打撃を与える可能性があることから名波氏は「生息数が大きく減少することも考えられる。サンゴ礁の生物多様性を守るためにはサンゴの種類もバランス良く守る必要がある」と話した。研究は生物学などを網羅するオープンジャーナル誌「PeerJ」に8月4日付で掲載された。

 チョウチョウウオの仲間はサンゴ礁を代表する魚類で種類が多いことからサンゴ礁の生物多様性を支えている。また、その美しい姿はダイビングや観賞魚として人気が高く、人間の経済活動にも恩恵を与えるとみなされている。

 調査は2016年6月から20年2月までに石西礁湖(11地点)と名蔵湾(7地点)、崎枝半島(3地点)の21地点で行われた。自然界に生息するチョウチョウウオ14種の摂餌行動をデジタルカメラなどを使い記録した。

 調査した14種類のうち、7種類がサンゴのポリプを選択的に食べることが判明。このうちヤリカタギ、ハナグロチョウチョウウオ、ミカドチョウチョウウオの3種は高海水温による白化現象に弱い種類のテーブル状ミドリイシと散房花状ミドリイシを好んで食べることが分かった。

 特にヤリカタギは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されていることからサンゴの白化により生息数の減少が加速する恐れがある。

 ほかの4種(ミスジチョウチョウウオ、ウミヅキチョウチョウウオ、シチセンチョウチョウウオ、スミツキトノサマダイ)は、比較的白化に強いタイプのサンゴを好むが名波氏は「海水温上昇が続くことで白化耐性の強いサンゴであっても死ぬリスクは高まり、予断を許さない状況」と指摘する。

 サンゴ礁の保全や再生は成長が早い枝サンゴなどが対象となることが多いが、名波氏は生き物に住む場所を与えるには効果的とした上で「研究では7種のチョウチョウウオが枝状ではないサンゴのポリプを好んで食べていた。サンゴ礁を彩るチョウチョウウオの仲間が暮らしていくためにはさまざまな種類のサンゴをバランス良く守っていくことが大切」と話した。

  • タグ: 地球温暖化チョウチョウウオ食性
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