図書購入費、500万円台に 1000万円台から減少
石垣市立図書館の図書購入費が減少している。市一般会計当初予算に計上された購入費は記録の残る1994年に1300万円と1000万円台だったが、その後右肩下がりの傾向となり、今年度は517万円と94年の約4割に。寄付金やふるさと納税など一般財源以外の財源は増えてきたが、同館側は「当初予算を一定額確保しなければ、計画的な図書購入は難しい。一般財源をかさ上げし、寄付金頼みの運営を脱却する必要がある」と訴えている。
2019年度の図書購入費は当初予算で509万円。決算では約900万円にのぼったが、このうち約400万円はふるさと納税や寄付金だった。図書館は一般財源の確保額をベースに図書購入計画を立てるため、この場合は500万円の範囲で図書の更新、新規購入を判断しなければならない。
職員によると、当初予算の削減で影響が出ているのは自然科学、社会科学などに関する入門書以上の専門性を持つ一般書。学問の進歩に合わせ新しい本が毎年出版されるが、単価が高いため、購入のハードルが高いという。
さらに、利用促進のためには劣化した本の買い替えも欠かせない。同館が昨年、図書館必携本と呼ばれるロングセラーの児童書を買い替えたところ、貸し出し利用が増えたという。
また、地元出身者の自伝や地元出版社発刊の本は、郷土資料としての価値が高い一方、一度絶版あるいは品切れになると入手困難となるため、収蔵するには発売時に即購入することが重要だ。
大田将之資料サービス係長は「図書館必携本を更新し、新しい本を購入するには1000万円ほど必要という実感がある」と話す。
市立図書館協議会の慶田盛京子委員長は「石垣市が市民憲章にもうたう『文化都市』の根幹を支えるのは図書館の情報。竹富町、与那国町の住民にも貸し出しする大きな役割を果たしてきた。協議会としても図書館をフォローしたいが、予算がないことには難しい」と図書購入費の充実を要望する。
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